講演情報

[EL8-1]医療機器情報コミュニケーター(MDIC)認定制度の変遷・制度改革とその意義、将来展望

臼杵 尚志1,2 (1.香川大学医学部地域医療再生医学講座, 2.MDIC認定委員会)
【創設】
本学会は2007年に旧名称「日本医科器械学会」から現名称へ改称した.「道具」に近い感覚で用いられてきた「器械」のみを対象とするのではなくME機器を含めた幅広い「器械・機械」の全てを本学会の研究対象にするとの意義がそこに秘められていた.背景として医療の中で扱われている機械の急速な発展が挙げられるが,器械や医療材料,ME機器を含む医療機器が日々の進化と共に複雑化もしているのは周知のことである.その状況に対し,一方ではこちらも急速な進化を遂げている医学・医療の現状から,現場職員たちが進歩の急激さに追随しかねている実情があり,しかしそのような中でも万全の安全体制を整えなければならないという必要性に呼応する形で本「医療機器情報コミュニケーター(MDIC)認定制度」が誕生した.
【認定過程の変遷】
本制度において認定を受けるための過程は4科目の認定セミナーを全て受けた後に認定試験を受け4科目全ての試験に合格するというものであるが,当初のセミナーは全国数か所で丸4日間(1日1科目(4講義)×4科目・土曜日曜を2回)おこない,認定試験も同様に各地の会場でおこなっていた.ただ,休日の4日間を全て会場に赴いて受講することの困難さと受講者負担を鑑み,これをwebセミナーへと変更,また講義内容を細分化して短時間の講義を多くすることで,業務の空き時間や休憩時間等を利用しての受講が可能な仕組みを整えた.一方,試験に関してはその厳密性確保の観点から会場試験を継続していたが,コロナ禍の影響でweb試験の体制が整ったことから会場試験/web試験の選択が可能なシステムに移行した.また,一部不合格であった科目への再受験を「1年後のみ」から「2年後まで」へと延長して,体調や業務上等種々の事情に配慮,資格取得の門戸を広く確保した.さらに,MDIC認定者の役割とその活動の場面を再検討し,様々な知識を知っている(試験の際に覚えている)ことより,様々な情報に正しく迅速に到達できることこそが現場での活躍には重要との考え,試験のあり方も2025年度試験から改変,より実務に即した人材がこの資格を得やすい環境を整えた.
【上級資格と認定の公表,広報活動】
常に進化を続ける医療そして改新し続ける機器については本資格取得御も学び続ける必要がある.そのために学会会期中のセミナーや関係団体主催の研究会等で更新のためのポイントを取得していただいているが,一定回数の更新(長期にわたるMDIC認定へのための研鑽継続)を果たした場合はMDICの上級資格を付与するべきとの議論が高まり,Expert MDIC認定が2025年度にスタートした.また医療機関側の視点からは自院への来訪者が有資格者であるかの情報を得たいとの要望,および認定者視点からは自らの立ち位置を明確にしたいとの意識に配慮し,有資格情報について,個人情報との観点からあくまでもご本人の同意を得た上で,学会HP上に掲載することとした.医療機関を対象とした調査ではこのような資格を持つ方こそが医療従事者への機器関連事項の説明を担当すべきとの声はあるものの,まだ本制度の認知度が高いとは言い難い.現在,本学会のHP上だけでなく,国際モダンホスピタルショーなどでの講演を通じて広報活動に努めているところであるが,広報委員会との協力の下でさらなる喧伝活動を予定している.その一環として,より深い医療機関・医療従事者への浸透のために,多くのMDIC,Expert MDIC有資格者の方々から多様な声やご意見をいただけることを期待している.