講演情報
[S1-2]病院経営の立場から
高階 雅紀 (市立池田病院)
現代社会において物流は,生産者と消費者を結ぶ「社会の血管」として不可欠なインフラです.
物流網が我々の日々の業務を支え,災害時には生命線となります.近年企業においても,「経営戦略と物流戦略を統合し,持続可能な企業価値向上を担う経営陣の一員」として物流を統括する職種が極めて重要な存在となっています.医療の世界でも,物流の仕事は単に医療機器を調達して搬送するだけでなく,いかに戦略的に持続可能なシステムを構築できるかが課題となっています.
本学会は,医療機器の製造から廃棄に至るまでのあらゆる場面を研究や教育の対象としていますが,院内の患者さんのすぐ傍らで医療機器を取り扱っているにもかかわらず,医療物流にかかわる方々への教育体制は構築されていません.教育用カリキュラムを整えて資格認定を行うことにより,医療物流にかかわる方々の働き甲斐が向上し,誇りをもって業務に向き合っていただける未来となることを期待します.
経済活動の効率化,地域経済の活性化,そして生活の豊かさを維持・向上させる役割を果たしています.
具体的には,以下の点が物流の重要性として挙げられます.
「血液」としての経済循環:原材料,製品,食品,エネルギーなど,あらゆるものを輸送し,経済を動かしています.
EC・生活インフラの基盤:インターネット通販の急増により,消費者の「すぐに欲しい」という需要に応える不可欠なサービスとなっています.
企業競争力の向上:効率的な保管,在庫管理,輸送は,企業のコスト削減とサービス向上(短納期・多品種配送)に直結します.
地域経済の支え:都市と地方を結び,農産物や地場産品の配送を通じて,地域の商業活動を活性化させています.
災害・緊急時の安定:災害時に物資を迅速に運ぶことで,生活や産業の停止を防ぐ重要な役割を担います.
しかし現在,労働力不足や「2024年問題」による輸送力低下が懸念されており,持続可能なシステムへの転換が急務となっています.
現代社会において,物流統括管理者(CLO:Chief Logistics Officer)は,単なる物流部門の責任者にとどまらず,「経営戦略と物流戦略を統合し,持続可能な企業価値向上を担う経営陣の一員」として極めて重要な存在となっています.
2026年4月からは,改正物流関連法により,一定規模以上の荷主企業に対して選任が義務付けられるなど,その必要性は急速に高まっています.
現代社会におけるCLOの重要性は,主に以下の5つの観点から説明できます.
1.「物流危機」への対応とサプライチェーン全体の最適化
現代は,ドライバー不足(2024年問題),EC需要拡大による配送量増加,燃料費高騰など,深刻な物流構造的な課題を抱えています.CLOは,調達・生産・保管・輸送・販売に至る物流全体を統合し,部分最適ではなく全体最適(サプライチェーン最適化)を実現する責任を負います.これにより,物流コストの削減と効率向上,そして供給安定性を確保します.
2.環境規制(グリーン物流)とサステナビリティの推進
「 2050年カーボンニュートラル」の達成に向けて,産業界には大幅なCO2排出削減が求められています.CLOは,モーダルシフト(トラックから鉄道・船舶への転換)の推進,配送ルートの最適化,共同配送の実施など,環境に配慮した持続可能な物流戦略を立案・実行します.
これは企業がESG投資を集め,信頼を維持するために不可欠な役割です.
3.物流DXの推進とデジタル技術の活用
現代の物流現場では,AIによる需要予測,配送ルートの自動最適化,物流機器の自動化など,DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が必須です.CLOは,これらの技術を導入・統括し,生産性を飛躍的に向上させると同時に,輸送データの透明性(トレーサビリティ)を確保し,顧客満足度を向上させます.
4.リスク管理と事業継続計画(BCP)の策定
グローバル化や災害の激甚化により,サプライチェーンが中断するリスクが高まっています.
CLOは,災害やパンデミック発生時でも,物資の供給を止めない,あるいは早期に復旧させるためのBCPを立案・実行します.これにより,物流停止による大きな収益機会の損失や企業ブランドの失墜を回避します.
5.経営戦略と直結した競争力の強化
物流はコストセンター(費用を生む場所)からプロフィットセンター(利益を生む場所)へ変化しています.CLOが経営陣として参画することで,物流効率化の成果を,価格競争力や高い配送サービス(短納期など)の源泉とし,企業の競争力を直接的に高めることができます.
まとめ
CLOは,現代の厳しい社会課題を解決し,物流を「物流・物流・物流」の3つの要素(効率化,環境対応,リスク管理)で支えながら,企業の持続的な成長を実現する戦略的な司令塔として,その重要性はかつてないほど高まっています.
本学会は,医療機器の製造から廃棄に至るまでのあらゆる場面を研究や教育の対象としています.
学会設立以来数々の活動をしてまいりましたが,その中で医療物流にかかわる方々への教育体制は
• 顧客企業の物流業務の現状分析
• 最適な物流戦略の立案と提案
• 物流センターの運営計画策定
• 配送ネットワークの設計
• 物流コストの削減提案
• 物流品質の向上施策の実施など
• 物流の専門知識を客観的に証明できる
物流技術管理士資格の最大のメリットは,物流に関する全体的な専門知識を証明できることです.
転職時や社内でのキャリアアップを目指す際に大きな武器となります.物流業界では,実務経験だけでは見えない部分も多く存在します.
ドライバーとして長年配送業務に従事していても,在庫管理の理論や物流コスト計算の手法,グローバルロジスティクスの知識などは身につきにくいものです.
物流技術管理士の資格を取得することで,物流戦略の立案と実行,SCM(サプライチェーンマネジメント)の理論と実践,物流コストの計算と管理手法,在庫最適化の理論と手法,国際物流の知識とノウハウといった専門知識を体系的に習得できます.
物流網が我々の日々の業務を支え,災害時には生命線となります.近年企業においても,「経営戦略と物流戦略を統合し,持続可能な企業価値向上を担う経営陣の一員」として物流を統括する職種が極めて重要な存在となっています.医療の世界でも,物流の仕事は単に医療機器を調達して搬送するだけでなく,いかに戦略的に持続可能なシステムを構築できるかが課題となっています.
本学会は,医療機器の製造から廃棄に至るまでのあらゆる場面を研究や教育の対象としていますが,院内の患者さんのすぐ傍らで医療機器を取り扱っているにもかかわらず,医療物流にかかわる方々への教育体制は構築されていません.教育用カリキュラムを整えて資格認定を行うことにより,医療物流にかかわる方々の働き甲斐が向上し,誇りをもって業務に向き合っていただける未来となることを期待します.
経済活動の効率化,地域経済の活性化,そして生活の豊かさを維持・向上させる役割を果たしています.
具体的には,以下の点が物流の重要性として挙げられます.
「血液」としての経済循環:原材料,製品,食品,エネルギーなど,あらゆるものを輸送し,経済を動かしています.
EC・生活インフラの基盤:インターネット通販の急増により,消費者の「すぐに欲しい」という需要に応える不可欠なサービスとなっています.
企業競争力の向上:効率的な保管,在庫管理,輸送は,企業のコスト削減とサービス向上(短納期・多品種配送)に直結します.
地域経済の支え:都市と地方を結び,農産物や地場産品の配送を通じて,地域の商業活動を活性化させています.
災害・緊急時の安定:災害時に物資を迅速に運ぶことで,生活や産業の停止を防ぐ重要な役割を担います.
しかし現在,労働力不足や「2024年問題」による輸送力低下が懸念されており,持続可能なシステムへの転換が急務となっています.
現代社会において,物流統括管理者(CLO:Chief Logistics Officer)は,単なる物流部門の責任者にとどまらず,「経営戦略と物流戦略を統合し,持続可能な企業価値向上を担う経営陣の一員」として極めて重要な存在となっています.
2026年4月からは,改正物流関連法により,一定規模以上の荷主企業に対して選任が義務付けられるなど,その必要性は急速に高まっています.
現代社会におけるCLOの重要性は,主に以下の5つの観点から説明できます.
1.「物流危機」への対応とサプライチェーン全体の最適化
現代は,ドライバー不足(2024年問題),EC需要拡大による配送量増加,燃料費高騰など,深刻な物流構造的な課題を抱えています.CLOは,調達・生産・保管・輸送・販売に至る物流全体を統合し,部分最適ではなく全体最適(サプライチェーン最適化)を実現する責任を負います.これにより,物流コストの削減と効率向上,そして供給安定性を確保します.
2.環境規制(グリーン物流)とサステナビリティの推進
「 2050年カーボンニュートラル」の達成に向けて,産業界には大幅なCO2排出削減が求められています.CLOは,モーダルシフト(トラックから鉄道・船舶への転換)の推進,配送ルートの最適化,共同配送の実施など,環境に配慮した持続可能な物流戦略を立案・実行します.
これは企業がESG投資を集め,信頼を維持するために不可欠な役割です.
3.物流DXの推進とデジタル技術の活用
現代の物流現場では,AIによる需要予測,配送ルートの自動最適化,物流機器の自動化など,DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が必須です.CLOは,これらの技術を導入・統括し,生産性を飛躍的に向上させると同時に,輸送データの透明性(トレーサビリティ)を確保し,顧客満足度を向上させます.
4.リスク管理と事業継続計画(BCP)の策定
グローバル化や災害の激甚化により,サプライチェーンが中断するリスクが高まっています.
CLOは,災害やパンデミック発生時でも,物資の供給を止めない,あるいは早期に復旧させるためのBCPを立案・実行します.これにより,物流停止による大きな収益機会の損失や企業ブランドの失墜を回避します.
5.経営戦略と直結した競争力の強化
物流はコストセンター(費用を生む場所)からプロフィットセンター(利益を生む場所)へ変化しています.CLOが経営陣として参画することで,物流効率化の成果を,価格競争力や高い配送サービス(短納期など)の源泉とし,企業の競争力を直接的に高めることができます.
まとめ
CLOは,現代の厳しい社会課題を解決し,物流を「物流・物流・物流」の3つの要素(効率化,環境対応,リスク管理)で支えながら,企業の持続的な成長を実現する戦略的な司令塔として,その重要性はかつてないほど高まっています.
本学会は,医療機器の製造から廃棄に至るまでのあらゆる場面を研究や教育の対象としています.
学会設立以来数々の活動をしてまいりましたが,その中で医療物流にかかわる方々への教育体制は
• 顧客企業の物流業務の現状分析
• 最適な物流戦略の立案と提案
• 物流センターの運営計画策定
• 配送ネットワークの設計
• 物流コストの削減提案
• 物流品質の向上施策の実施など
• 物流の専門知識を客観的に証明できる
物流技術管理士資格の最大のメリットは,物流に関する全体的な専門知識を証明できることです.
転職時や社内でのキャリアアップを目指す際に大きな武器となります.物流業界では,実務経験だけでは見えない部分も多く存在します.
ドライバーとして長年配送業務に従事していても,在庫管理の理論や物流コスト計算の手法,グローバルロジスティクスの知識などは身につきにくいものです.
物流技術管理士の資格を取得することで,物流戦略の立案と実行,SCM(サプライチェーンマネジメント)の理論と実践,物流コストの計算と管理手法,在庫最適化の理論と手法,国際物流の知識とノウハウといった専門知識を体系的に習得できます.
