講演情報
[CD-03]肩関節鏡視下腱板修復術後の疼痛患者におけるナラティブと客観的指標の統合―個別性を捉えた病態把握と介入の視点―
*長倉 侑祐1 (1. たつえクリニック)
疼痛領域においてガイドラインが作成されており,様々な多角的評価や治療が整理されている.しかしガイドラインに基づく評価や介入は臨床実践における標準的指針として有用であるが,全ての対象者に適応できるものではない.私たちの臨床においては,多様な症状の訴えや症候が複雑に絡み合い一般的な改善を辿らない難渋症例に直面する.疼痛の要因別分類は侵害受容性疼痛,神経障害性疼痛,痛覚変調性疼痛に分類され,慢性疼痛は疼痛の要因がどれか1つに起因することは少なく,複数の要因が複雑に絡んで病態を形成している.そのため,臨床実践においては心身機能や活動能力など質問票やデバイスを用いた客観的指標に基づく評価と介入が重視されている.しかしその一方で,対象者自身の経験や価値観を反映するナラティブの視点は軽視され,臨床過程から見落とされる傾向がある.その結果,病態の個別性を十分に反映できていないアプローチに偏る課題が存在する.疼痛患者の病態理解や介入方針,および効果検証には質問票やデバイスなどの評価に加え,対象者の身体的特性や生活背景を含む個別性を考慮することが不可欠であり,その核心に位置するのがナラティブの視点である.ナラティブとは,対象者自身の経験や価値観である.例えば同じ疾患や機能レベルでも対象者が「どのような状態を経験しているか」は一人ひとり異なる.ナラティブは対象者の経験・価値観を通して臨床プロセスに意味を与える要素であり,対象者の経験や価値観を理解し,それを臨床プロセスに取り入れることで,病態理解や介入がより深化されるものと考える.
そこで本セッションでは,肩関節鏡視下腱板修復術後の疼痛患者における,臨床プロセスを共有し,特に疼痛患者におけるナラティブな側面をどのように評価し,客観的指標に統合していくべきなのか議論をする場にしたいと考えている.
そこで本セッションでは,肩関節鏡視下腱板修復術後の疼痛患者における,臨床プロセスを共有し,特に疼痛患者におけるナラティブな側面をどのように評価し,客観的指標に統合していくべきなのか議論をする場にしたいと考えている.
