講演情報
[CD-06]脳卒中患者の立位姿勢における見えない経験と見えない制御をどう捉えていくか
*細江 健太1 (1. 摂南総合病院)
立位姿勢の観察は、バランス機能の停滞を示す患者の病態解釈や治療介入に直結する重要な過程である。しかし、外部観察のみで重心位置や姿勢制御戦略を正確に把握することは困難であり、重心動揺計測などの客観的手段を活用することで可視化できる。
脳卒中片麻痺後の立位姿勢では、非麻痺側下肢の代償的戦略は基本的動作能力の改善に寄与する一方、麻痺側下肢の動員が不十分なまま戦略が固定し、回復を阻害するケースも少なくない。麻痺側下肢の動員を高め機能回復を促すためには、客観的姿勢制御計測、臨床所見、麻痺側荷重時の経験、回復過程などの多面的な視点から病態を見極め、介入につなげることが求められる。
今回、もやもや病に伴う脳出血後に右片麻痺および運動性失語を呈した症例を提示する。右下肢FMAは4点で重度運動麻痺であったが、非麻痺側機能は良好であり、起立および立位保持は自立レベルであった。指示理解は良好であったが、対話は単語レベルにとどまっていた。そのため、麻痺側に対しては「動かない」、「力が入らない」といった意識経験を訴えていたが、その背景となる認知過程は対話時の表情や反応から推察した。立位姿勢は非麻痺側下肢へ偏倚し筋緊張を高めていた。麻痺側への荷重を求めた際は、さらに筋緊張を高める様子が観察された。しかし、無意識に麻痺側へ荷重した立位姿勢となる環境や課題設定を用いると麻痺側の動員が認められた。
本セッションでは、運動性失語を伴う脳卒中症例を通じ、非麻痺側下肢優位となった立位姿勢制御の「見えない経験」と「見えない制御」をどのように観察し、病態解釈と介入につなげていくかを議論する。
脳卒中片麻痺後の立位姿勢では、非麻痺側下肢の代償的戦略は基本的動作能力の改善に寄与する一方、麻痺側下肢の動員が不十分なまま戦略が固定し、回復を阻害するケースも少なくない。麻痺側下肢の動員を高め機能回復を促すためには、客観的姿勢制御計測、臨床所見、麻痺側荷重時の経験、回復過程などの多面的な視点から病態を見極め、介入につなげることが求められる。
今回、もやもや病に伴う脳出血後に右片麻痺および運動性失語を呈した症例を提示する。右下肢FMAは4点で重度運動麻痺であったが、非麻痺側機能は良好であり、起立および立位保持は自立レベルであった。指示理解は良好であったが、対話は単語レベルにとどまっていた。そのため、麻痺側に対しては「動かない」、「力が入らない」といった意識経験を訴えていたが、その背景となる認知過程は対話時の表情や反応から推察した。立位姿勢は非麻痺側下肢へ偏倚し筋緊張を高めていた。麻痺側への荷重を求めた際は、さらに筋緊張を高める様子が観察された。しかし、無意識に麻痺側へ荷重した立位姿勢となる環境や課題設定を用いると麻痺側の動員が認められた。
本セッションでは、運動性失語を伴う脳卒中症例を通じ、非麻痺側下肢優位となった立位姿勢制御の「見えない経験」と「見えない制御」をどのように観察し、病態解釈と介入につなげていくかを議論する。
