講演情報

[CD-12]転倒を繰り返すパーキンソン病症例における恐怖心に着目した姿勢不安定性への介入の検討

*森 武志1 (1. 脳血管研究所美原記念病院)
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パーキンソン病(Parkinson’s Disease: PD)の転倒は、40%弱の患者が転倒を繰り返すと報告されており、臨床上の大きな問題である。繰り返す転倒には、姿勢不安定性といった運動症状を背 景に、意思決定や情動制御のエラーが複合する臨床像がみられる。意思決定のエラーでは何度も 同じ状況で転倒する懲りない症候群(岩田、2012)があり、情動制御のエラーでは、立位保持や 外乱に対して過度の恐怖心や不安を示す症例が経験される。

PDでは運動症状に加え、非運動症状である認知・感情の障害が知られており、特に情動の基盤と なる内受容感覚の低下が指摘されている(Lucia、2016)。転倒に対する内受容感覚の因果関係は 未解明ながら、臨床的には関連性が示唆される。

本セッションでは、後方外乱(Pull Test)での後方反応の不十分さや、傾斜立位(閉眼)に対して 著しい不安や恐怖心が先行し不安定性を呈しているPD症例を提示する。観察から、内受容感覚の 障害を背景とした情動に対する解釈のエラーが姿勢不安定性を助長していると推察された。本報告を通じ、運動症状の背景にある「見えない病態」としての恐怖心や内受容感覚低下の見える化の試みと一連のアプローチから、パーキンソン病の姿勢制御の介入可能性について議論を深めたい。