講演情報

[CD-15]脳卒中後症例の身体に対する感情

*産屋敷 真大1,2 (1. 市立福知山市民病院、2. 畿央大学大学院健康科学研究科 神経リハビリテーション学研究室)
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脳卒中後の多くの症例においては、自己身体に対して「奇妙な感じ」「不快感」「嫌悪感」などの否定的感情を呈することが報告されている(Bassolino et al., 2022;Stott et al., 2021)。この“身体に対する感情”は、視覚・固有受容感覚・内受容感覚といった複数の情報源に基づき構成され、身体イメージに内包される(Diyakonova et al., 2025;Konik et al., 2024)。これまで、身体に対する感情は質問紙、半構造化面接、Visual Analogue Scale などの手法によって評価されてきた。これらの方法は、主として認知的解釈や意図といった認知的判断に依存する自己帰属的評価に基づいていると考えられる。
しかしながら、身体表象の経験的側面である身体に対する感情は前反省的に生起するため、既存の質問紙ではその空間的側面や強度的側面を十分に捉えられない可能性がある。さらに、認知的判断を介するこれらの評価は、身体と直接関連しない感情的変化の影響を受けやすいと考えられる。一方で、body mapping法 (Nummenmaa et al.,2014) は身体に対する感情を直接的に身体図へ投影・可視化し得るだけでなく、ストローク頻度を指標とすることで身体に対する感情の強度を定量化し得る可能性が示唆されている。
今回、脳卒中後症例における“身体に対する感情”を対象とし、従来定量化が困難であった身体に対する感情のより立体的な可視化および測定方法としてのbody mapping法の有用性について、症例を通じて検討し、議論する機会としたい。