講演情報
[P2-04]物品を介した対象の認識課題によって麻痺手での食事動作が可能になった急性期右片麻痺症例
*加藤 大策1、重田 三四郎1、加藤 紘子1、今井 光1、降矢 芳子2 (1. 東京女子医科大学附属足立医療センター リハビリテーション部、2. 東京女子医科大学附属足立医療センター リハビリテーション科)
【はじめに】
麻痺手の使用はリハビリテーションの目的であると同時に麻痺手の機能向上のための手段としても重要な意味をもつ(北村,他:2019).今回,運動麻痺は比較的軽度であるにも関わらず,食事動作で強い疲労感を訴え麻痺手での食事が困難な症例に対して,物品を介して対象の性状(重量や硬度)を認識する課題を通して麻痺手での食事が可能になった入院10日間の経過を報告する.
【症例紹介】
脳梗塞により右片麻痺を呈した右利き80代女性.介入時右上肢はBRS:上肢手指いずれもV,10秒テスト:18回,Fugl Mayer Assessment上肢運動項目(FMA):43/66点.表在覚・深部覚ともに軽度鈍麻,動作は拙劣・努力的で疲労感の訴えが強くきかれた.特に物品操作時の疲労感が強く肩甲帯挙上時の放散反応を認めた.認知機能面では注意障害や前頭葉機能の障害を認めた.ADLはBI:30/100点で,食事は左手で摂取し太柄自助具を使用しても右上肢での食事摂取は困難であった.右上肢での食事動作に対し「落とすな落すなと思って力が入っちゃう」と把持を安定させようと過剰に出力する傾向に加え物品を介した食材の性状の認識が困難だった.
【病態解釈・介入】
食事動作時に把持を安定させようと筋出力を高めることで右上肢全体の筋緊張が亢進し物品を介して対象の性状を認識することが困難になっていると解釈した.結果,動作は拙劣で疲れやすくなり右上肢の使用頻度が低下していると考えた.課題は,右手でスプーンを把持した状態で重量や硬度識別課題を実施した.加えて,食事動作練習・到達運動練習・図形の認識課題などを行なった.
【結果】
介入7日目の右上肢機能としてFMA:53/66と改善を認め,動作に伴う疲労感が軽減し「まだちょっと疲れるけどね.力入ってないよ」と記述の変化とともに右手で食事摂取が可能になった.また,食事以外でも歯ブラシなど右手のADLへの参加が増えた.
【考察】
今回,麻痺手で道具を介し対象の性状を認識する課題を通して物品操作時に適切な筋出力での動作できるようになったことで,右上肢動作時の疲労感が軽減し食事動作が可能になったと考えた.また,右上肢で過剰な出力を制御できるようになったことが食事以外への右上肢の参加に寄与したのではないかと考えた.
【倫理的配慮】
本発表に際し症例自身に口頭で説明し同意を得た.
麻痺手の使用はリハビリテーションの目的であると同時に麻痺手の機能向上のための手段としても重要な意味をもつ(北村,他:2019).今回,運動麻痺は比較的軽度であるにも関わらず,食事動作で強い疲労感を訴え麻痺手での食事が困難な症例に対して,物品を介して対象の性状(重量や硬度)を認識する課題を通して麻痺手での食事が可能になった入院10日間の経過を報告する.
【症例紹介】
脳梗塞により右片麻痺を呈した右利き80代女性.介入時右上肢はBRS:上肢手指いずれもV,10秒テスト:18回,Fugl Mayer Assessment上肢運動項目(FMA):43/66点.表在覚・深部覚ともに軽度鈍麻,動作は拙劣・努力的で疲労感の訴えが強くきかれた.特に物品操作時の疲労感が強く肩甲帯挙上時の放散反応を認めた.認知機能面では注意障害や前頭葉機能の障害を認めた.ADLはBI:30/100点で,食事は左手で摂取し太柄自助具を使用しても右上肢での食事摂取は困難であった.右上肢での食事動作に対し「落とすな落すなと思って力が入っちゃう」と把持を安定させようと過剰に出力する傾向に加え物品を介した食材の性状の認識が困難だった.
【病態解釈・介入】
食事動作時に把持を安定させようと筋出力を高めることで右上肢全体の筋緊張が亢進し物品を介して対象の性状を認識することが困難になっていると解釈した.結果,動作は拙劣で疲れやすくなり右上肢の使用頻度が低下していると考えた.課題は,右手でスプーンを把持した状態で重量や硬度識別課題を実施した.加えて,食事動作練習・到達運動練習・図形の認識課題などを行なった.
【結果】
介入7日目の右上肢機能としてFMA:53/66と改善を認め,動作に伴う疲労感が軽減し「まだちょっと疲れるけどね.力入ってないよ」と記述の変化とともに右手で食事摂取が可能になった.また,食事以外でも歯ブラシなど右手のADLへの参加が増えた.
【考察】
今回,麻痺手で道具を介し対象の性状を認識する課題を通して物品操作時に適切な筋出力での動作できるようになったことで,右上肢動作時の疲労感が軽減し食事動作が可能になったと考えた.また,右上肢で過剰な出力を制御できるようになったことが食事以外への右上肢の参加に寄与したのではないかと考えた.
【倫理的配慮】
本発表に際し症例自身に口頭で説明し同意を得た.
