講演情報

[SY-05]中枢神経疾患後の「回復可能性と治療ストラテジー」を観る

*壹岐 伸弥1 (1. 川口脳神経外科リハビリクリニック)
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中枢性脳卒中後疼痛(Central post stroke pain;CPSP)の有病率は約10%とされ,特に延髄と視床に病変を有する患者群では50%以上に達すると報告されている。CPSPは体性感覚系の神経損傷によって生じ,罹患期間の増加とともに発生率が増大する特徴を有する。そのため,生活期リハビリテーションの現場では疼痛コントロールに難渋する症例が少なくない。CPSPの病態メカニズムとして,求心性情報の欠如,脊髄視床路の機能障害,視床の脱抑制,温度感覚の脱抑制,皮質機能による感覚運動連関の不均衡,非損傷側一次運動野の科興奮に伴う損傷側一次運動野の活動抑制による半球間機構の破綻などが明らかになっているものの,非侵襲的リハビリテーションによる科学的根拠は乏しく,具体的な治療戦略は確立されていない。

本報告では,歩行後に麻痺側下肢の疼痛が増強するCPSP患者に対して,認知神経リハビリテーションによる観察を通して病態を解釈し治療仮説を立案した実践経過を提示する。これをもとに,本シンポジウムのテーマである「下肢・歩行の回復可能性と治療ストラテジー」について参加者の皆様とともに検討する機会としたい。