講演情報
[I-OR07-02]当院においてFontan手術後遠隔期に心臓手術介入を要した症例の検討
○川口 直樹1, 倉岡 彩子1, 横山 亮平1, 親谷 佳佑1, 鈴木 彩代1, 連 翔太1, 白水 優光1, 田尾 克夫1, 佐藤 正規1, 中野 俊秀2, 佐川 浩一1 (1.福岡市立こども病院 循環器科, 2.福岡市立こども病院 心臓血管外科)
キーワード:
Fontan手術、遠隔期、再手術
【背景】Fontan手術後遠隔期の心臓手術介入について、その手術内容や適応、予後についての報告は少ない。当院においてFontan手術後遠隔期に心臓手術を要した症例について検討を行った。
【対象】2010年1月から2024年12月までの期間にFontan手術を行った症例のうち、当院で心臓手術介入を要した症例。
【結果】同期間中にFontan手術を行った430例のうち、35例の患者に38回の再手術を行った。うち男児は22例 (63%)、Fontan術後の初回再手術時年齢は中央値7.3歳 (1.8~14.9) で、Fontan手術から初回再手術までの期間は中央値5.2年 (0.1~13.0) であった。疾患内訳はHLHS(類縁疾患含む) (n=11, 31%)、Heterotaxy (n=8, 23%)、SV (n=4, 11%)、PAIVS (n=3, 9%)、TA/Ebstein’s anomaly/DORV(各n=2, 6%)、AVSD/cTGA/PTA(各n=1, 3%)であった。術式はAVVP/AVVR 12回、AVR/Bentall/Konno/LVOTS release 10回、PMI 8回(Generator交換含めず)、ECへの介入 5回、Starnes術後の再介入 4回、LPA plasty/ASD creation/IEへの介入が各1回であった(同一手術で複数カウントあり)。Fontan術後初回再手術からの観察期間中央値は2.2年 (0.4~11.6) で、3例が死亡した。うち在院死亡2例、遠隔期死亡が1例であった。術前BNP値の中央値は33.0 (<5.8~487.6) pg/mLで、200 pg/mL以上の症例は6例が該当し、死亡症例は全例200 pg/mL以上であった。
【考察】Fontan術後再手術における予後は比較的良好であると思われた。BNP高値の重症例は死亡するリスクが高く、適切な介入時期の検討とより慎重な周術期管理が求められる。
【対象】2010年1月から2024年12月までの期間にFontan手術を行った症例のうち、当院で心臓手術介入を要した症例。
【結果】同期間中にFontan手術を行った430例のうち、35例の患者に38回の再手術を行った。うち男児は22例 (63%)、Fontan術後の初回再手術時年齢は中央値7.3歳 (1.8~14.9) で、Fontan手術から初回再手術までの期間は中央値5.2年 (0.1~13.0) であった。疾患内訳はHLHS(類縁疾患含む) (n=11, 31%)、Heterotaxy (n=8, 23%)、SV (n=4, 11%)、PAIVS (n=3, 9%)、TA/Ebstein’s anomaly/DORV(各n=2, 6%)、AVSD/cTGA/PTA(各n=1, 3%)であった。術式はAVVP/AVVR 12回、AVR/Bentall/Konno/LVOTS release 10回、PMI 8回(Generator交換含めず)、ECへの介入 5回、Starnes術後の再介入 4回、LPA plasty/ASD creation/IEへの介入が各1回であった(同一手術で複数カウントあり)。Fontan術後初回再手術からの観察期間中央値は2.2年 (0.4~11.6) で、3例が死亡した。うち在院死亡2例、遠隔期死亡が1例であった。術前BNP値の中央値は33.0 (<5.8~487.6) pg/mLで、200 pg/mL以上の症例は6例が該当し、死亡症例は全例200 pg/mL以上であった。
【考察】Fontan術後再手術における予後は比較的良好であると思われた。BNP高値の重症例は死亡するリスクが高く、適切な介入時期の検討とより慎重な周術期管理が求められる。