講演情報

[ランチョン3]北海道日本ハムファイターズのスポーツサイエンスを活用した選手育成の取り組み動作解析の導入背景と活用事例

*山口 雄大1 (1.株式会社北海道日本ハムファイターズ ベースボールオペレーション部)
プロ野球は、レギュラーシーズン約140試合(1軍:143試合、ファーム:120‐140試合)を戦い、その勝率で順位を決めるスポーツである。この試合数は他のプロスポーツと比較しても非常に多く、プロ野球選手はこの過酷なスケジュールの中で、コンディショニングの維持、身体づくりや野球技術の習得が求められる。当球団ではこうした環境下で計画的かつ効果的な選手育成を行うために、スポーツサイエンスを活用した育成システムの構築を進めており、その一環として、2024年から動作解析システムを導入し、スポーツバイオメカニクス的観点から選手の技術評価を始めた。
 野球のパフォーマンスを規定する変数はいくつか存在するが、投手では球速が一般的に用いられており、当球団においても同様である。一方、打者では打球速度を高めることが重要であるが、これに最も深く関わるスイング速度のみでは選手のパフォーマンスを正しく評価することは難しく、打者に対する動作解析を用いた介入方法には検討の余地がある。
 本発表では、当球団における動作解析を活用した選手育成の取り組みについて具体例を交えながら紹介し、より良い介入方法について模索・検討していきたい。