講演情報
[競技スポーツ-A-28]項目反応理論を適用したバスケットボールのファストブレイク戦術技能の達成度評価テストの開発(測)
*小松 泰典1、松岡 弘樹2、大河 正志2、中野 敬介1 (1. 新潟大学、2. 新潟医療福祉大学)
本研究の目的は、バスケットボールにおけるファストブレイク戦術技能の達成度評価テストを構成することであった。ファストブレイクは限られた時間と空間の中で複数選手の判断と動きが相互に影響し合うプレーであり、試合の流れや得点機会に大きく関与する重要な戦術である。しかし、従来の戦術指導は指導者や選手の経験や感覚のような暗黙知に依存しており、プレーを客観的に評価することが困難であった。そのため、再現性や改善のためのフィードバックを得にくいということが課題であった。また、これまでの技能評価研究は個人の動作に焦点を当てた成功率や動作特性に基づく評価が中心であり、戦術技能の達成度評価を実現した研究は限られている。そこで本研究では、回答者の潜在特性と、測定項目の困難度・識別力などの項目特性を同時に推定できる項目反応理論に着目した。まずバスケットボールの専門家3名へのインタビュー調査によりファストブレイクの定性的因果構造を構成した。ファストブレイクプレーは、リバウンド局面、アップコート局面、アタック局面の三局面に紐づく55項目の戦術技能項目と達成基準で構成された。項目の達成基準に基づき200プレーのデータを収集した。探索的因子分析を適用して、項目の一次元性を確認し、項目反応理論の2パラメーター・ロジスティック・モデルを適用して、項目困難度、項目識別力、項目の適合性、不変性、テスト信頼性、テストの妥当性を検討した。選定された16項目を用いて、ファストブレイク戦術技能の達成度評価基準を構成した。本研究では、従来は主観的に評価されることの多かったファストブレイク戦術技能について、テスト理論に基づいた達成度評価基準を提案した。本研究で構成したファストブレイク戦術技能の達成度評価基準は、ファストブレイク戦術プレーの達成度に応じた指導内容やトレーニング計画の検討の資料となることが期待される。
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