講演情報

[03心-ポ-04]野球選手における打球反応と視線行動に関するヘッドマウントディスプレイを用いた検討

*菊政 俊平1、國部 雅大2 (1. 金沢学院大学、2. 筑波大学)
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野球の内野手には、投球されたボールや打者の動きなどの視覚情報をもとに、打球に対して素早く正確に反応することが求められる。本研究では、ヘッドマウントディスプレイを用いて野球の内野守備場面の映像を提示することによって、視線行動と打球に対する反応の関係について検討することを目的とした。実験で使用するため、遊撃手の定位置に固定した360度カメラを用いて、投手が投球したボールを打者が左右方向へ打つ映像を撮影した。対象者は大学硬式野球部に所属する選手であった。実験において、対象者は立位でヘッドマウントディスプレイを装着し、練習試行後に本試行を行った。対象者には、できるだけ早く正確に打球方向に対応するキーボードのボタンを押すよう教示した。測定項目として、打球反応の早さおよび正確性に加え、打者、打者-投手間の空間、投手の各領域に対する注視時間を算出した。また、各領域間における視線移動回数および視線移動パターンを算出し、正反応率および反応時間と視線行動に関する各指標との関係について分析を行った。その結果、正反応率と視線移動回数および視線移動パターン数との間に負の相関関係が認められ、打球反応の正確性が高い選手ほど不要な視線移動を抑制し、安定した視線移動パターンを示すことが示唆された。また、正反応率と打者への注視時間との間には正の相関関係がみられた一方で、投手および打者-投手間の空間への注視時間との間には負の相関関係が認められた。さらに、バットとボールのインパクト前における打者への注視時間の長さが反応の正確性と関連していることが示された。これらのことから、打球反応の正確性には、投手やボール軌道への視線移動ではなく、打者方向へ安定して視線を向ける方略が関連していることが示唆された。

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