講演情報
[03心-ポ-06]ダンス経験の自他身体認知への関与-内受容感覚、共感性、対人パフォーマンスを指標として
*成瀬 九美1 (1. 奈良女子大学生活環境学部心身健康学科)
本研究はダンスを身体の動きを通じて自己と他者の関係性を学ぶ経験として位置づけ、その経験の個人差が自他の身体認知に関連するかを検討した。大学生31名を対象とし、本学研究倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号24-27)。ダンス経験の測定にはGoldsmiths Dance Sophistication Index(Gold-DSI)を用いた。Gold-DSIはダンス経験を「参加型(PDE)」と「観察型(ODE)」から自己評価する質問紙であり、PDEは「身体意識」「ダンスを通じた社交性」「踊りたい衝動」「ダンストレーニング」の下位因子で構成される。PDE得点に基づき上位群・下位群(各10名)を設定し、各指標を比較した。内受容感覚の自己認識傾向を測定するMultidimensional Assessment of Interoceptive Awareness(MAIA)の下位尺度「身体を聴く」(身体内部の感覚を行動の判断・調整に活用する傾向)では上位群が有意に高い得点を示した。多次元共感性尺度(IRI)の下位尺度「個人的苦悩」(他者の苦しむ状況に接して自身も不安を感じる傾向)では下位群が有意に高い得点を示した。対人パフォーマンスの測定には、刺激反応適合性パラダイムを用いた。SC(反応刺激)の背景にMC(無関係な運動刺激、他者が動く)を提示し、MCモデルの向き(対面・背面)と移動方向およびSCへの反応との組み合わせにより、対面一致条件(空間的適合性有)、対面不一致条件(解剖学的適合性有)、背面一致条件(両適合性有)、背面不一致条件(両適合性無)の4条件を設定した。上位群では4条件間に反応時間の差は認められなかった。一方、下位群では対面不一致条件および背面不一致条件において他の2条件より反応時間が遅延し、自他身体に空間的適合性のない配置でのパフォーマンス低下が示された。
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