講演情報
[03心-ポ-50]大学生版メンタルヘルスリテラシー測定尺度の開発の試み
*菅野 慎太郎1,2、髙橋 正則3、水落 文夫3 (1. 日本大学大学院文学研究科教育学専攻、2. 日本大学松戸歯学部、3. 日本大学文理学部)
メンタルヘルスリテラシー(MHL)は、Jorm(1997)によって「精神疾患の認識、管理、あるいは予防に役立つ知識や信念」と伝統的に定義されてきた。近年、Kutcher(2013)はこの概念を拡張し、ヘルスリテラシーの概念と整合させる形で、心の健康の増進、予防、早期発見、治療継続、および回復を促すために必要な基礎的能力(スキル)を包含するものと位置づけた。MHLの獲得が早期発見・早期介入を促進することが観察されており、日本国内でもMHLに関する教育的な取り組みが増加しているものの、実証的なエビデンスは依然として乏しい。菅野(2026)は,MHL尺度に関する文献レビューの結果、国内外を問わず、多くの尺度が疾患の把握に焦点を当てたJorm(1997)の定義に基づいて開発されていることを示した。一方で、日本国内においては、ポジティブなメンタルヘルスの維持や自己効力感の向上を強調するKutcher(2013)の定義に基づいた妥当性のある尺度が開発されておらず、またJorm(1997)の定義に基づく尺度は開発されているものの、妥当性に課題が残されている。そこで本研究は,Kutcher(2013)の定義に基づいた大学生版メンタルヘルスリテラシー測定尺度を開発することを目的とした。まず,スポーツ心理学を専門とする大学院生1名と大学教員2名で66の質問項目を作成した。これを尺度の原案とし,現時点で大学生200名を対象に5件法にて回答を求めた。その後に,収集したデータを探索的因子分析(主因子法・プロマックス回転)をした結果,「良好なメンタルヘルスを獲得および維持する方法の理解」「精神疾患およびその治療の理解」「スティグマの軽減」「援助要請効力の向上」という4因子で構成され,妥当性が確保された大学生版メンタルヘルスリテラシー測定尺度が作成された。
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