講演情報

[03心-ポ-52]最高パフォーマンス状態に関する探索的研究心理・身体・環境要因の統合的理解

*蓑内 豊1、吉田 聡美2、安部 久貴3、伊藤 真之助4 (1. 北星学園大学、2. コンディショニング・ラボ、3. 北海道教育大学、4. 松本大学)
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スポーツ場面において、選手が自身の力を最大限に発揮する状態は、ゾーン、フロー、ピークパフォーマンスなどとして研究されてきた。たとえば、フロー研究では、集中、没入、自動化された遂行などの心理状態が重視されている。しかし、従来研究では心理状態に焦点化した研究が多く、身体状態や環境条件を含めた統合的理解は十分ではない。そこで本研究では、スポーツ選手が認識する「最高パフォーマンス状態」について、心理・身体・環境要因の観点から探索的に整理することを目的とした。
対象は、高い競技志向を持って競技スポーツに取り組み、全国大会レベル以上の大会に出場経験のある選手とした。調査は、自由記述式質問紙およびインタビューを用いて実施した。質問内容は、①自身の最高パフォーマンス経験、②その際の心理状態・身体状態・環境要因、③悪いパフォーマンス時の特徴、④最高パフォーマンスを導くための行動・思考・環境要因、⑤日常生活や練習で意識していること、⑥最高パフォーマンスを再現するために必要なこと、などで構成した。得られた記述データは、テーマ分析を用いて分類・整理した。
テーマ分析の結果、複数の共通した特徴が認められた。心理要因としては「高い自己信頼感」「ポジティブ感情」「認知の明瞭性」「適応的覚醒状態」「遂行感覚」、身体要因としては「良好な身体コンディション」「身体感覚の良さ」「回復状態」「身体管理」、環境要因としては「良好な競技環境」「安心・支援環境」「遂行しやすい条件」「成功を支える準備状態」が確認された。最高パフォーマンスを再現するための工夫として、「十分な睡眠」「試合前のルーティン」「呼吸」「イメージトレーニング」「日常生活を整えること」などが挙げられた。以上の結果から、各要因は独立して存在するというより、相互に関連しながら最高パフォーマンス状態を支えている可能性が示唆された。

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