講演情報
[03心-ポ-72]スポーツ競技者における認知的方略と競技レベルの関係
*吉川 智慧子1、持田 慶貴1、髙橋 正則2、水落 文夫2 (1. 日本大学大学院、2. 日本大学)
本研究の目的は、スポーツ競技者の競技レベルと認知的方略との関係を検討することであった。認知的方略とは、問題状況に直面した際に人が目標や行動に向かうための認知・計画・予期・努力の一貫したパターンのことであり(Norem,1989)、方略的楽観主義、防衛的悲観主義、非現実的楽観主義、真の悲観主義の4つに分類される。先行研究では、スポーツ競技者の認知的方略と不安やストレス、自己調整学習との関係について検討されているものの十分とは言い難い。そこで、本研究では、小学校期から現在までにスポーツ活動経験のある大学生228名(男子159名、女子69名、平均年齢19.0±1.1歳)を対象に、無記名式の質問紙調査を実施した。調査内容は、これまでに経験したスポーツ競技種目、競技成績、および認知的方略であった。認知的方略に関しては、外山(2015)が開発した20項目、4つの下位尺度から構成される認知的方略尺度を使用した。特に、認知的方略について階層クラスター分析を行った結果、方略的楽観主義と真の悲観主義を含む4グループに分類された。そこで競技レベル(国際大会と全国大会に出場した者を上位群・それ以外を下位群)と認知的方略(4グループ)との関係をみるためにχ2検定を行ったところ、有意な差が認められた(χ2=8.980, df=3, p=.03)。残差分析の結果、方略楽観主義では競技レベル上位群が多く、真の悲観主義群では競技レベル下位群が多い結果を示した。これらの結果は、方略的楽観主義が適応的なパフォーマンスにつながること示す一方で、真の悲観主義は競技場面において不適応的に働き競技成績に悪影響を与える可能性を示唆しており、先行研究を支持するものであった。したがって、競技力向上を図るためには、スポーツ競技者の認知的方略を把握し。心理的支援や具体的指導を徹底して検討することが重要であることが示唆された。
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