講演情報
[09コ-ポ-01]スポーツ経験における充実感の言語化を促す教材開発と評価ウェルビーングの実現に向けたスポーツ系大学生の教養教育での実践
*安永 太地1、小沼 憲吾1 (1. 早稲田大学スポーツ科学学術院)
競技スポーツでは、勝敗や成績への価値が重視されやすく、過度な勝利至上性は競技者の適応や競技継続、メンタルヘルス上の課題を生じさせる可能性がある。一方、第3期スポーツ基本計画では、競技に勝つことだけでなく、スポーツに取り組むなかで得られる「楽しさ」「喜び」、満足感や充実感が重要な価値として位置づけられ、こうした考えはウェルビーイングにもつながる。先行研究では、楽しみ志向を含むスポーツ参加とウェルビーイングとの関連、大学生アスリートが認識する価値の多様性、スポーツ競技への充実感の構造が検討されてきた。しかしながら、これらは主として実態把握や関連の検討にとどまり、学習者自身が自らのスポーツ経験を振り返り、勝敗や記録以外の観点から充実感を言語化する教育実践は十分に検討されていない。本研究では、スポーツ系大学生を対象に、スポーツ経験における充実感の言語化を促す教材を開発し、授業実践を行った。教材開発では、道徳教育における価値の明確化と、余暇教育における要素分解の方法を援用した。具体的には、先行研究から体育・スポーツの楽しさ要因を抽出し、スポーツ系大学生70名の自由記述とイメージ図をもとに、勝敗のみに依存しない8つの充実場面を作成した。授業では、スポーツにおける充実感を「楽しさ」「感情」「場面」の3観点から捉え直す活動を組み込んだ。また、専門教員と非専門教員が担当する2クラスで実施し、初年次教育としての活用可能性も視野に入れた。本発表では、教材開発の過程と授業実践の結果を報告し、スポーツ経験を勝敗以外の価値から捉え直す教育実践の可能性を検討する。
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