講演情報

[生涯スポーツ-A-02]運動部活動の負担問題が提起する「学ぶ場」としての学校の再考(教)

*伊藤 まこと1 (1. 順天堂大学)
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本発表では,教師の部活動への負担問題を発端に,生徒が「学ぶ場」としての学校,教師の役割について再考する.本発表の目的は,昨今の部活動地域展開の背景となっている教師の負担感の要因の追求やその改善策の提示ではない.教師が授業に専念できるようにというお題目の下,学校から授業以外の教育活動を切り離していくことは,学校の在り方そのものの問い直しを迫っている.すなわち部活動の地域展開の潮流は,学校の目的は何か,教師の役割は何かを,改めて私たちに問うていると考える.筆者が行った現職中学校運動部顧問教師を対象とした調査データの分析を通して,教師が部活動に対して,学校や自身の教職生活,教師自身の新たな学びにおける意味を見出すことが,部活動への主観的負担感を抑制している可能性が示唆された.同時に,教師自身の体育・スポーツの専門性の乏しさは,主観的負担感の直接的な要因とはいえず,担当部活動への技術指導への関与が負担感を抑制していることも示された.この結果から,技術指導をしている(できる)教師の方が,部活動の意味を捉えやすく,部活動への負担感が抑制されている可能性が推察される.しかし,技術指導ができる教師であっても,それに主体的に過熱することは必ずしも教師に良い影響を及ぼすとは言えず,そもそも顧問教師に求められる役割は生徒が自律的にスポーツをする過程を援助するものであり,技術指導はその役割の一例に過ぎない.つまり,教師が技術指導できないことを「問題」として扱うこと自体,部活動と教師の関係を歪める危険性を孕んでいると考える.このような問題意識から,技術指導のできない教師の部活動への負担感をどう取り除くかという処方箋的議論ではなく,技術指導という関与なしに教師が部活動に意味を見いだせないこと,それが何を意味するのか考えたい.

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