講演情報

[競技スポーツ-A-01]女性柔道家の膝関節部外傷が生涯柔道に与える影響(社)

*稲川 郁子1,2 (1. 日本体育大学、2. 公益財団法人全日本柔道連盟医科学委員会)
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本研究は、女性柔道家の膝関節部外傷の受傷実態とその後の生涯柔道への影響について明らかにしたものである。競技柔道を引退するなど、現在いわゆる選手ではない概ね20歳以上の女性柔道家379名(39.1±9.97歳)のうち、1か月以上の稽古の休止を要した膝関節部外傷の既往のある者は189名(49.9%)であった。具体的な傷病名に関する自由記述において、「前十字靭帯損傷(断裂)」および「複合靱帯損傷」(以下、前十字靭帯損傷と記す)の記述があったのは107名(28.2%)であった。総数379名のうち、現在膝関節部に不調があると回答したのは123名(32.5%)であり、膝関節部外傷既往のある189名では96名(50.8%)、前十字靭帯損傷と記載した107名では61名(57.0%)であった。柔道競技に限らず、前十字靭帯損傷は男性より女性に生じやすく、アスリートのいわば致命傷となることもあり、多くの場合観血的に対処される。本研究では、女性柔道家の選手時代の膝関節部外傷、とりわけ前十字靭帯損傷の既往がその後の生涯柔道環境に悪影響を及ぼしている可能性が示唆された。現在、男女を問わず生涯にわたって柔道に親しむ環境の整備が求められているが、加えて、健やかな生涯柔道実践のためには選手時代の膝関節部外傷の予防が重要であると考えられた。

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