講演情報

[学校保健体育-A-07]長期研修に参加した高校保健体育科教師の再文脈化過程(教)現場復帰に伴うジレンマに着目して

*木原 慎介1 (1. 東京国際大学)
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教師の継続的な専門能力の開発が求められている中、体育教師の力量形成に関しては、小学校教師を対象とした知見の蓄積はあるが、中学校及び高等学校の保健体育科教師(以下、保体教師)に焦点化した研究は少ない。特に中学校及び高等学校現場では部活動指導や生徒指導への役割期待も大きく、教科の指導力向上への要求との乖離があることから、保体教師に関する知見の蓄積が課題視されている。本研究では、大学院での長期研修(以下、長研)に参加した高等学校の保体教師が、越境経験を通していかなる変容を経験し、その学びを現場でどのように再文脈化していくのかに着目し、研修参加の動機、越境中の出来事、現場復帰前における変容と再文脈化の過程を明らかにすることとした。対象者は、S大学大学院にて長研に参加した現職教師のうち高等学校所属の保体教師2名であり、半構造化面接法によりデータを収集した。得られたデータから作成した逐語録をもとに修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。その結果、解放的体育観をもつI教諭と管理的体育観をもつS教諭は、人事異動や授業・生徒指導上の行き詰まりを契機として長研参加を決断していた。越境中は、多様な他者との対話や授業観察等を通して自身の信念が揺さぶられ、既存の価値観や実践感覚が相対化されていった。その過程では、苦しさや自己否定感を伴いながらも、新たな教師観を再構成していく様相がみられた。また、生活時間の変化による心理的余裕の創出は家庭生活や読書経験にも影響を及ぼし、自身の生き方にも変化をもたらしていた。一方、現場復帰を目前にした段階においては、長研成果の実践化に希望を抱く反面、現場の同僚性や規律維持との両立に対して再び不安や迷いが生じるというジレンマが構造化された。長研での学びを現場において再文脈化し、それらを維持・実践していくための継続的支援の必要性が示唆された。

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