講演情報
[学校保健体育-A-08]教育実習における事前指導の効果と実習経験との接続(教)体育系大学における教育実習Ⅰ・Ⅱを対象とした分析
*松永 武人1、栫 ちか子1 (1. 鹿屋体育大学)
本研究は、体育系大学における「教育実習Ⅰ・Ⅱ」の事前指導として実施される学習指導案添削指導の有効性と限界を明らかにし、教員養成段階における学習の質的向上に資する知見を得ることを目的とした。対象は同科目を履修した 4 年次生 140 名であり、指導案添削記録の分析と教育実習後アンケート調査を実施し、両者を照合した。添削記録の分析から、学生は「指導と評価の一体化」に関する評価規準の設定や評価タイミングの理解、評価方法の選択において多くの修正を要していた。また、「本時の展開」における学習内容や指導上の留意点の具体化が不十分であり、授業イメージを構造化して記述する力に課題が見られた。これらは、技能中心になりやすい保健体育科の特性や、模擬授業での協働作成による理解の深度差が影響していると考えられる。一方、実習後アンケートでは 9 割以上の学生が指導案添削指導を「非常に役立った」「ある程度役立った」と肯定的に評価し、研究授業や実習校での指導案作成においてスムーズに対応できたとの回答が多く得られた。ただし、実習校や自治体による指導案様式の違いに戸惑ったという意見も複数みられ、標準様式と現場の多様性との間に一定の乖離が存在することが示された。以上より、事前指導としての添削指導は実習準備に有効である一方、授業展開の具体化や評価の位置づけに関する理解の深化が今後の課題として明確になった。今後は、標準様式に基づく授業設計理解の強化に加え、具体的状況設定を用いた授業構想の実践機会を導入し、学生の即応的判断力と柔軟な対応力を育成する指導の再構築が求められる。
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