講演情報
[03心-ポ-33]小学校体育授業導入時における体つくり運動が学校適応感に及ぼす影響
*吉原 久貴1、鳥取 伸彬2、秋光 恵子2 (1. 和泉市立芦部小学校、2. 兵庫教育大学大学院)
【背景】近年、小学校では体力低下に加え、学校適応感に関わる課題も指摘されている。学級で協同的に社会的スキルの獲得を促す方法として、クラスワイド・ソーシャルスキルトレーニング(以下、CSST)があり、体育授業の活用でも「配慮」「かかわり」スキルが高まることが報告されている。運動は身体協応性や実行機能など認知面に肯定的な影響を及ぼすことが示されており、CSST的要素を加えた運動は、身体面と心理・社会面の双方に作用する可能性がある。しかし、協同的な運動と個人での運動を比較し、認知、心理・社会面及び学校適応感への影響を総合的に検討した研究は限られている。そこで本研究では、CSST的要素を取り入れた体つくり運動の効果が、学級適応感への影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は小学校4〜6年生9学級の児童であり、運動+CSST群、運動群、準備体操等を行った対照群へ学級単位でランダムに割り付けた。介入は8週で週2回の計16回を体育授業導入時約10分間に実施し、介入事前・事後及び終了2ヶ月後の追跡の3時点で測定した。測定項目は、身体協応性をボディコオーディネーションテスト、実行機能をトレイルメイキングテスト、さらに、運動有能感、社会性と情動及び学校適応感尺度を用いた。分析には群と時期を要因とする線形混合モデル(LMM)を行った。【結果】身体協応性は各群で事前から事後にかけて有意に上昇した。また、学校適応感の向社会性で群にかかわらず時期に伴う有意な上昇が認められた。運動+CSST群では、運動有能感の受容感、社会性・情動の総得点及び自己のコントロールも有意に肯定的な変化が認められた。一方、学校適応感総得点には有意な変化は認められなかった。【結論】CSSTを取り入れた運動は、学校適応感への効果は認められなかったが、自己調整や対人関係に関わる心理・社会面を向上させる可能性が示唆された。
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