講演情報

[03心-ポ-39]高校野球選手を対象とした感覚経験型指導法を用いた送球指導の効果

*松浦 佑希1、菊政 俊平2、坂入 洋右3 (1. 宇都宮大学 共同教育学部、2. 金沢学院大学 スポーツ科学部、3. 常葉大学 教育学部)
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本研究の目的は、高校野球選手を対象に感覚経験型指導法(松浦ら,2018)を用いた送球指導を行い、送球技能および状態不安への効果について検討を行うことである。対象者は県立高校硬式野球部に所属する男子選手15名とした。測定は介入前(時期①)・介入開始期(時期②)・介入後(時期③)の3時期に行い、各時期の間隔は8週間とした。送球の能力は先行研究を参考に、送球制御力(板谷ら,2017),打球処理速度(菊池ら,2017)を測定し、合わせて18.44m離れた9つに分割した的を狙う投球テストを実施した。また、試合前の状態不安を測定するため、スポーツ競技状態不安尺度(SAIS)を用いた(橋本ら,1986)。 その結果、送球能力について、時期②~③にかけて捕球から送球までの処理時間が有意に短縮され(p =.017)、送球の制御力の得点についても高まる傾向が確認された(p =.085)。また、投球テストにおいても、時期②から③にかけて有意に球速が向上し(p =.024)、正確性も命中率が時期③において有意に高まった(p =.049)。状態不安についても、時期②~③にかけて有意に低下していた(p =.003)。 感覚経験型指導法では、フォームの指導を行うのではなく、動作結果の成否を評価せず、動作結果を最も予測できる身体感覚とその動作結果を多様に経験することで技能獲得を行う。そのため、理想的な投球フォームや失敗という概念がなくなり、全ての体験が情報収集という位置づけとなるため、他者からの評価に対する不安などに伴う心理的緊張が低減した可能性がある。野球選手を対象とした研究において、競技状態不安の低減がパフォーマンス向上に寄与するとの知見(Yoon et al., 2022)を踏まえると、本指導法は純粋な技能の高まりだけでなく、不安感の低減を通じたパフォーマンス向上をもたらす指導アプローチとなり得る可能性が示唆された。

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