講演情報
[03心-ポ-41]大学体育テニス授業における低反発ボールの主観的認識成功経験および楽しさとの関連に着目して
*今野 亮1、長久保 大樹1 (1. 明治薬科大学)
大学体育では,運動経験や技能水準の個人差が大きく,技能に対する苦手意識や失敗経験が学修者の授業参加に影響することが指摘されている.また,成功経験や運動有能感,楽しさが運動参加意欲と関連することが報告されている.特に,初心者や技能に自信のない学修者にとっては,成功経験を伴う学修環境をどのように構成するかが重要な課題とされている.これらを踏まえて,本研究では大学体育テニス授業を対象として,反発特性の異なるボールに対する学生の主観的認識を量的および質的に検討し,成功経験や楽しさとの関連について基礎的知見を得ることを目的とした.対象は大学体育テニス授業を受講した66名であった.授業では標準ボール,グリーンボール,レッドボールを使用し,授業終了後に各ボールの扱いやすさについて質問紙調査を実施した.また,グリーンボールを扱いやすいと評価した理由について自由記述を求めた.その結果,グリーンボールを扱いやすいと回答した学生の割合が最も高く,標準ボールおよびレッドボールと比較して有意に高かった.また,テニス経験の有無および得意意識とボールの扱いやすさとの関連は認められなかった.自由記述からは〈ラリーの継続〉〈打球成功に伴う楽しさ〉〈技能水準差の緩和〉など7つのSubgraphが抽出された.これらの結果から,グリーンボールはラリーの継続や打球成功を経験しやすく,楽しさや参加しやすさを伴う学修経験につながっていた可能性が示唆された.技能差が大きい大学体育においては,失敗経験の軽減や成功経験の蓄積に関連する教材特性が,学修者の肯定的な授業経験に結びつくことが考えられる.
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