講演情報

[09コ-ポ-42]実践的戦術研究における質的検討に関する事例報告タックル局面に関する選手および識者へのインタビュー調査

*廣瀬 恒平1、髙橋 仁大2 (1. 尚美学園大学、2. 鹿屋体育大学)
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ラグビー科学研究において、戦術を対象とした研究はこれまで活発には行われてこなかった。また、トレーニング効果の検証を目的とした研究はいくつかあるが、戦術を対象とした実践研究は非常に少なく、質的な手法を用いた研究もごく僅かで、ほぼ未開拓な状況にある。そこで、発表者はまず量的研究手法により世界トップレベルの試合を標本としてビッグデータを収集し、有効と仮定される防御戦術の検討を行った。次に、そこで得られた知見を基に立案した戦術を対象チームに導入して、導入前後のゲームパフォーマンス比較から、戦術の有効性を検証する実践研究を行った。分析の結果、導入した戦術は概ね遂行され、遂行時のプレー成功率が向上し、ゲームへの好影響が認められた。この実践的戦術研究は15人制ラグビーにおけるブレイクダウン局面の広範囲を対象にしたことから、本研究ではこのうちのタックル局面に焦点を当て、選手および識者にインタビュー調査を実施し、戦術の内容に加え、立案の過程や導入の方法など研究の全体を質的に評価、検討することを目的とした。インタビューの結果、選手は戦術の内容や実践した取り組みに対して、概ね肯定的に評価した。一方で、導入後の成果について「よくできた」という評価と「もっとできた」「まだ足りない」といった回答があり、他にも評価に違いが見られた項目があった。外部識者にこれら選手へのインタビュー結果およびゲームパフォーマンス分析の結果も併せ、研究のデザイン全般について評価を聴取したところ、戦術の内容や立案過程など本研究における実践について一定の評価が得られた。選手間に認識の違いが存在すると、自己や自チームを適切に評価できないことから、これを解消するために、チームとして目標値や評価指標を設定し共有することが提案された。他にも、質的検討によって数量的データの新たな解釈視点などが提供された。詳細は学会大会にて報告する。

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