講演情報
[競技スポーツ-A-20]大学トップレベルのサッカー選手における突破のドリブル時の視線および認知・判断特性(コ)
*多賀 健1 (1. 苫小牧工業高等専門学校)
<目的>本研究の目的は,大学トップリーグに属するT大学サッカー部の中で,ドリブルスキルが熟練者,上級者,および中級者である選手を対象に,視線計測器を用い,突破のドリブル時の視線の停留時間や回数,および認知から判断に至る過程を比較検討することにより,突破のドリブルにおける熟練者の視線および認知・判断特性を明らかにすることである.<方法>実験参加者は,大学トップリーグに属するT大学サッカー部の中で,ドリブルスキルが熟練者(プロ内定・世代別代表の攻撃選手)3名,上級者(1軍の攻撃選手)12名,中級者(5軍の攻撃選手)15名であった.実験参加者は視線計測器(Tobii Pro Grass3)を装着し,守備者との1対1のドリブル突破を5回試みた.測定項目は,攻撃者が守備者の突破を図る2秒前から突破するまでの注視点の①停留(脳に送られる視覚情報)時間,②停留回数,③各試技後のインタビューによる認知・判断内容であった.<結果>視線の停留時間において,熟練者は守備者の膝>足>足下の順に有意に長かった.視線の停留回数では,熟練者は上級者および中級者より膝を有意に多く見ていた.インタビューによる認知分析では,熟練者は膝や足を注視し,その動きを認知しているのに対して,上級者は足や足下を注視しているが,守備者の膝や足を認知していた.さらに,共起ネットワーク分析により,熟練者は膝や足の動きを見て,突破を図っている結びつきが多かった.<結論>熟練者は,①守備者の膝や足を長い時間,かつ多く見ている,②守備者の膝や足の動きを認知している,③守備者の足の接地や,膝関節の屈曲による重心変動を手掛かりとして,突破のタイミングを見計らっていると考えられる.突破のドリブルでは,熟練者は守備者の膝や足に視線を向け,その動きを認知し,それを判断基準として突破を図っていることが示唆される.
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