講演情報
[05バ-ポ-21]送・投球時の困難感を抱える大学野球選手における投球位置のばらつきに関係する運動学的特徴リリースタイミングおよび、末端部の動きに着目して
*増田 健太郎1、坂口 泰志郎1、辻 孟彦2、古城 隆利2、西山 哲成2 (1. 日本体育大学大学院、2. 日本体育大学)
それまで出来ていた、意図した位置への送・投球に困難を感じている選手がいる(青山ら、2021)。このような困難感はイップスとして説明されることが多く、競技離脱につながる可能性があるため、症状の実態把握が求められている(稲田・田中、2019)。投球位置のばらつきはリリース(REL)時のボールの力学的状態によって決まるため、RELタイミングやボールに力を伝える末端部の動きが関係すると考えられる。そこで本研究では、送・投球時の困難感を抱える大学野球選手の投球位置のばらつきと、RELタイミングおよび末端部の動きとの関係を検討した。送・投球時の困難感を抱える大学野球選手9名を対象に、症状が最も生じやすい球速で、15m先、高さ1.2mに構えたグローブへ30球正確に投げるよう指示した。投球動作は光学式三次元動作解析システムで500Hz、投球位置は2台のビデオカメラで撮影し、15m地点の鉛直方向投球位置(VPL)を算出した。RELタイミングは手部セグメントが垂直となる時点を基準に算出した。末端部の動きとして、アクセラレーション期のMP関節上のマーカーの矢状面速度、加速度および仰角を2ms毎に算出した。これらとVPLの関係をスピアマンの順位相関分析で検討し、有意水準は5%とした。その結果、9名中7名で、VPLとRELタイミングに有意な負の関係が認められた。MP関節上のマーカーの速度はREL以前の区間で4名、加速度はREL付近で6名、REL以前の区間で4名、仰角はRELにかけて5名でVPLとの関係がみられた。よって、送・投球時の困難感を抱える選手における投球位置の鉛直上方向への変位は、手部セグメントが垂直となる時点に対してRELが早く生じることと関係する可能性が示された。さらに、アクセラレーション期の末端部の動きも投球位置に関係する可能性があり、末端部に関係する全身運動は今後の検討事項である。
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