講演情報
[03心-口-04]有酸素性運動によるEudaimonic Well-being向上効果の検証副交感神経機能の変動を用いた個別化トレーニングと標準的トレーニングの違いに着目して
*村上 嘉野1、村上 晴香1 (1. 立命館大学)
【緒言】中〜高強度運動はEudaimonic well-being(EWB; 最適な心理・社会的機能状態)を高める可能性が示唆されているが、その効果は研究間で一貫していない。運動負荷に対する疲労・回復経過には個人差があり、同一運動に対する心身への効果は異なる可能性がある。HRVガイドトレーニング(HRVG)は、副交感神経の日々の変動を回復状態の指標として用い、運動負荷を調整する個別化手法である。しかし、HRVGがEWBに及ぼす効果は明らかでない。本研究では、HRVGと標準的トレーニング(ST)のEWB向上効果を比較した。【方法】健常若年男性36名(各群12名、22 ± 3歳)を、HRVG群、ST群、非運動(CON)群に割り付け、 HRVG群、ST群については、週3回、8週間のトレーニングを実施した。運動種目に関して、HRVG群は毎朝の副交感神経指標に基づき、中強度持続運動(MICT)または高強度間欠的運動(HIIT)を、ST群はMICTのみを実施した。相対的運動量は群間で同等とした。EWBは介入前後に質問票(MHC-SF)を用いて評価した。EWBの変化は、群(HRVG、ST、CON)×時間(Pre、Post)の二要因混合分散分析により検討し、有意な交互作用が認められた場合は事後検定を行った。【結果】EWBに有意な交互作用が認められた(p = .008)。事後検定では、HRVG群で有意な増加(p = .0498)、ST群で有意な低下(p = .029)が認められた。【結論】若年男性において、8週間のHRVGはEWB向上に有効である可能性が示された。一方、ST群ではEWBが低下したことから、well-being向上を目的とした運動介入では、回復状態に応じた処方の重要性が示唆された。今後は、MICTとHIITを共に含むST群との比較を通じて、HRVGにおける個別化の有効性をさらに検証する必要がある。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
