講演情報
[02社-口-01]『頑張れ』は誰のための言葉か陸上競技者の意味づけから
*中山 璃子1 (1. 岡山大学大学院教育学研究科)
スポーツ場面では、「頑張れ」という言葉は日常的かつ当然のように用いられている。そもそも「頑張る」という言葉は、本来「我ニ張ル」に由来し、自らの意志や行動を他者に示す意味を持つ言葉であった。また、「頑張れ」は、自らを鼓舞する表現であり、他者に向けられる言葉ではなかったと指摘されている(天沼、2004)。にもかかわらず、現在では他者への声かけとして広く用いられている。しかし、「頑張れ」という具体的な言葉が、相互作用の中でどのように意味づけられているかについては十分に検討されていない。そこで本研究では、陸上競技のトップアスリートを対象に、「頑張れ」という言葉が競技生活の中でどのように意味づけられているのかを明らかにすることを目的とした。
研究方法として、陸上競技者5名を対象に半構造化インタビューを実施し、逐語録化したデータをSCATを用いて質的分析した。分析では、「頑張れ」が用いられた場面、相手との関係性、その際の感情や受け取り方に着目し、概念生成およびカテゴリー化を行った。
分析の結果、「頑張れ」は競技者を直接的に励ます言葉としてのみの意味づけられているわけではなかった。競技者によっては、「挨拶のようなもの」「とりあえず言うもの」として受け止めており、言葉の意味を強く意識していない様子がみられた。この背景には、スポーツ場面において「頑張れ」が当然の言葉として共有され、習慣的に用いられていることが関係していると考えられる。また、「頑張れ」は「声をかける」という行為を通して、相手との関係性を確認・維持する機能を持っていた可能性がある。一方で、不調時には負担として経験される場合もみられたが、「見てくれている」「理解されている」と感じる関係性の中では、支えとして経験されていた。以上より、「頑張れ」はダブルスタンダードを引き起こす儀礼的コミュニケーションとして機能していることが示唆された。
研究方法として、陸上競技者5名を対象に半構造化インタビューを実施し、逐語録化したデータをSCATを用いて質的分析した。分析では、「頑張れ」が用いられた場面、相手との関係性、その際の感情や受け取り方に着目し、概念生成およびカテゴリー化を行った。
分析の結果、「頑張れ」は競技者を直接的に励ます言葉としてのみの意味づけられているわけではなかった。競技者によっては、「挨拶のようなもの」「とりあえず言うもの」として受け止めており、言葉の意味を強く意識していない様子がみられた。この背景には、スポーツ場面において「頑張れ」が当然の言葉として共有され、習慣的に用いられていることが関係していると考えられる。また、「頑張れ」は「声をかける」という行為を通して、相手との関係性を確認・維持する機能を持っていた可能性がある。一方で、不調時には負担として経験される場合もみられたが、「見てくれている」「理解されている」と感じる関係性の中では、支えとして経験されていた。以上より、「頑張れ」はダブルスタンダードを引き起こす儀礼的コミュニケーションとして機能していることが示唆された。
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
