講演情報

[生涯スポーツ-SB-4]学校体育から考える生涯スポーツ社会の基盤形成すべての子どもにスポーツの価値へのアクセスを保障する授業設計

*栫 ちか子1 (1. 鹿屋体育大学)
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<演者略歴>
筑波大学体育専門学群、同大学院体育学研究科を経て、筑波大学大学院・鹿屋体育大学大学院、大学体育スポーツ高度化共同専攻修了。博士(体育スポーツ学)。現在、鹿屋体育大学教授。保健体育科教育学、舞踊教育学を専門とし、体育授業設計、共生の視点を重視した教師教育、ダンスの技能評価に関する研究・教育等に従事している。
学校体育は、すべての児童生徒が一定期間、運動・スポーツに出会う制度的な場であり、生涯スポーツ社会の基盤形成において大きな役割を担っている。一方で、体育授業が競技力の高さや勝敗、技能の優劣を重視して構成されると、運動が得意な児童生徒には魅力的な学習経験となる反面、運動に苦手意識や不安をもつ児童生徒、障害のある児童生徒、性別による固定的な見方の影響を受ける児童生徒にとっては、参加しにくさや居づらさを生む可能性がある。体育は、スポーツへの入口であると同時に、スポーツからの離脱を生み出す場にもなり得る両義的な教科である。
 本発表では、体育科教育学の立場から、生涯スポーツ社会の実現に向けて、学校体育を「競技スポーツへの導入」ではなく、「多様な人が自分に合った形で運動・スポーツと関わり続けるための資質・能力を育む場」として捉え直す必要性を提起する。具体的には、体力や技能の程度、性別、障害の有無等にかかわらず参加の形を保障する授業設計、する・みる・支える・つながるといった多様な関わり方の学習、そして教師の体育観を問い直す教員養成・教師教育の重要性について論じる。学校、地域、家庭、スポーツ団体が連携する際にも、学校体育が担うべき固有の役割は、競技者を選抜することではなく、すべての子どもにスポーツの価値へのアクセスを保障することにある。

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