セッション詳細
【シンポジウム1】巨大災害の根本的問題へ公衆衛生の力で挑戦する ~直接死を防ぐ災害一次予防~
2025年10月28日(火) 14:40 〜 16:10
第3会場 (会議ホール:11階)
座長:栗山 進一(東北大学災害科学国際研究所)
福島 洋(東北大学災害科学国際研究所)
福島 洋(東北大学災害科学国際研究所)
巨大災害による命の犠牲を減らすためには、避難所運営や備蓄体制など発災後の対応も大切ですが、それ以上に、発災前の段階で命を守る行動をどれだけ徹底できるかが何よりも重要です。家屋の耐震化や家具・家電類の転倒防止に加え、津波が発生した際に迷わず早期避難を実行できるよう、平時から備えと行動の習慣化を進めておくことなど、いわゆる一次予防が最も基本かつ効果的な対策です。しかし現状では十分に進んでいません。令和4年の内閣府調査によれば、家具固定の実施率は39.5%にとどまり、「そのうちやろう」「面倒だから後回しに」といった心理的要因が大きな障壁となっています。
一方、公衆衛生分野では、喫煙対策や減塩推進など、リスク認識を高め、行動変容を促す科学的な手法が発展し、多くの成果を上げてきました。住民の心理的ハードルを下げ、自発的な行動を後押しするヘルスコミュニケーションや、対象に応じたソーシャルマーケティングのアプローチは、防災分野にも十分に応用できる可能性があります。
本シンポジウムでは、「公衆衛生の力を防災へ」をテーマに、防災行動変容を実現するための挑戦と知見を共有し、参加者の皆さまと議論を深めます。静岡県における先進的な防災行動変容の取り組み、リスクコミュニケーションの見地からの住民の行動促進の検討、ソーシャルマーケティングの理論を活用した啓発媒体作成の知見、さらに自治体や職能団体、福祉団体などの公衆衛生活動、地域福祉活動における介入の進展など、多様な話題を取り上げます。
防災と公衆衛生の融合は、これまで十分に議論されてこなかった新しい視点ですが、地域の防災力を高め、命を守る行動を平時から定着させるうえで、公衆衛生の知見は極めて有効です。現場で住民に寄り添う保健師、看護職、医療・福祉関係者、自治体職員の皆さまとともに、巨大災害による被害を大幅に低減するためのヒントを探りたいと思います。
一方、公衆衛生分野では、喫煙対策や減塩推進など、リスク認識を高め、行動変容を促す科学的な手法が発展し、多くの成果を上げてきました。住民の心理的ハードルを下げ、自発的な行動を後押しするヘルスコミュニケーションや、対象に応じたソーシャルマーケティングのアプローチは、防災分野にも十分に応用できる可能性があります。
本シンポジウムでは、「公衆衛生の力を防災へ」をテーマに、防災行動変容を実現するための挑戦と知見を共有し、参加者の皆さまと議論を深めます。静岡県における先進的な防災行動変容の取り組み、リスクコミュニケーションの見地からの住民の行動促進の検討、ソーシャルマーケティングの理論を活用した啓発媒体作成の知見、さらに自治体や職能団体、福祉団体などの公衆衛生活動、地域福祉活動における介入の進展など、多様な話題を取り上げます。
防災と公衆衛生の融合は、これまで十分に議論されてこなかった新しい視点ですが、地域の防災力を高め、命を守る行動を平時から定着させるうえで、公衆衛生の知見は極めて有効です。現場で住民に寄り添う保健師、看護職、医療・福祉関係者、自治体職員の皆さまとともに、巨大災害による被害を大幅に低減するためのヒントを探りたいと思います。
[シンポジウム1-1]静岡県での防災行動変容の取り組み
*若林 克茂 (静岡県庁)
[シンポジウム1-2]住民の防災行動変容を後押しするためのコミュニケーションとは
*小杉 素子 (静岡大学)
[シンポジウム1-3]ソーシャルマーケティング手法を活用した行動変容を促す啓発メッセージ開発のエッセンス
*遠峰 良美 (株式会社キャンサースキャン)
[シンポジウム1-4]住民の行動変容を促進させるための社会的介入の一案
*大類 真嗣 (東北大学災害科学国際研究所災害公衆衛生学分野)
