セッション詳細

【シンポジウム16】若手PI・研究者と考える日本の公衆衛生学研究・キャリアの未来 ~次世代に求められるコンピテンシーとは~

2025年10月29日(水) 15:50 〜 17:20
第5会場 (1001-1)
座長:杉山 雄大(国立健康危機管理研究機構医療DX部、筑波大学医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野)
   齋藤 良行(東京大学大学院薬学系研究科 医療政策・公衆衛生学講座)
公衆衛生の実践や政策をより良くしていくためには、公衆衛生分野の研究者が現場の状況、課題をよく踏まえた上で、その課題意識に基づいたエビデンスを創出し、公衆衛生の実践者と研究者がよくコミュニケーションをとってエビデンスを実践や政策に落とし込み、課題の解決につなげることが重要である。
そのため、公衆衛生学の次世代を担うアカデミア人材を育てる大学院教育では、研究成果を実践や政策に結びつける視点を持ち、多様なステークホルダーと協働しながら実践へとつなげる能力の涵養が求められる。しかし、現状の教育では、疫学や統計学に基づくデータ解析の習得に重点が置かれる一方で、研究成果と実践や政策との連なりを体系的に学ぶ機会が十分に確保されていないと感じている。また、ビッグデータ解析やAIをはじめとする情報技術の急速な発展に伴い、公衆衛生の研究者に求められる知識やスキルはさらに増加しており、育むべきコンピテンシー、教育内容の拡充や見直しが急務となっている。
このシンポジウムでは、公衆衛生学会に多くの若手研究者が集まる機会を活かし、若手PI・研究者が今後どのような視点で研究・次世代の教育に取り組むべきか、また、研究成果と実践・政策とをつなぐために必要なコンピテンシーとは何かについて議論する。日本だけでなく諸外国での研究経験を有する若手研究者が登壇し、国際比較の視点も交えながら、多様な経験の共有と意見交換を通じて、参加者の皆さんと公衆衛生学のアカデミアの未来を考える場としたい。

[シンポジウム16-1]公衆衛生分野における女性研究者の挑戦と未来

*木野 志保 (東京科学大学 医歯学総合研究科 口腔疾患予防学分野)

[シンポジウム16-2]若手公衆衛生研究者のキャリア戦略:学術的インパクトと実践的貢献の調和

*宮脇 敦士 (筑波大学医学医療系 社会医学研究グループ 公共健康政策分野)

[シンポジウム16-3]多分野の架け橋としてエビデンスを創出し、実装する

*井上 浩輔 (京都大学 大学院医学研究科 健康増進・行動学分野)

[シンポジウム16-4]米国公衆衛生大学院で感じる、若手研究者に求められるコンピテンシー

*安富 元彦 (ハーバード大学公衆衛生大学院)