セッション詳細

【シンポジウム50】モニタリングレポート委員会による「賛否の分かれる公衆衛生対策に関するディベート」

2025年10月30日(木) 10:40 〜 12:10
第7会場 (映像ホール:2階)
座長:尾崎 米厚(鳥取大学)
   郡山 千早(鹿児島大学)
モニタリング・レポート委員会(疫学・保健医療情報、保健行動・健康教育グループ)では、2017年から毎年、賛否が分かれる公衆衛生対策をテーマにした聴衆参加型ディベートを開催している。社会が直面する課題が次々と現れる中、判断が難しい対策も少なくない。2025年は、(1) 医療従事者の情報発信規制の是非、(2) 透析患者に保険診療と同等の自己負担を求めることの是非を取り上げる。メンバーが賛成派・反対派に分かれ、理由と根拠を提示し、会場の皆さんと議論を深める。
本企画は、2017年に(1)健康ゴールド免許、(2)医師の僻地勤務義務化、(3)禁煙具としての新型たばこの推奨を、2018年に(1)ハーム・リダクション・ツールとしての新型たばこ推奨、(2)ヘルス・テックの推奨、(3)糖質制限の是非を、2019年に、(1)加熱式たばこ限定の飲食店新規開店容認、(2)薬価の費用対効果評価、(3)eスポーツ推進を、2020年に、(1)感染症対策としての学校の長期休校、(2)PCR検査の促進を、2021年に(1)コロナワクチンの若年層への優先接種、(2)ワクチン既接種者のマスク使用免除を、2022年は、(1) 不妊治療の保険適用、(2) コロナ対策の目的を医療崩壊防止に置く事を、2023年には、(1) 経口妊娠中絶薬の承認、(2) 現金給付型少子化対策を、2024年に(1)救急車有料化、(2)医療場面での生成AIの活用について議論した。
進行は、賛否の立論発表⇒論点整理スライド提示⇒聴衆間(周囲の人)との意見交換⇒フロア全体での討議⇒オンライン投票の順で行う。聴衆も議論に参加することで、公衆衛生として重視する考え方を学び、自分の頭で考えて対応できる能力の獲得を目指す。
フロア内で様々な参加者と賑やかに意見交換ができ、新しい知り合いができるのも本シンポジウムの特徴である。投票結果を重視するわけではなく、様々な参加者の意見を知り、交流し、基本的人権、社会防衛・公共福祉、公平性、健康格差、社会正義等の視点で物事をとらえ、深く考えることを目指す。皆さんもこのシンポジウムに主体的に参加し、自分の頭で考えて、公衆衛生学的論理思考を鍛える機会にしませんか。なお、各テーマの賛否の立論意見は、発表者の立場や考え方を示したものではなく、議論の活性化のために作成したものである。

[シンポジウム50-1]医療従事者の情報発信の規制について:賛成、反対の立場から

*髙橋 美保子1、*弓屋 結2 (1. 埼玉医科大学医学部社会医学,2. 広島大学 大学院医系科学研究科 公衆衛生学)

[シンポジウム50-2]透析治療における保険診療と同等の自己負担について:賛成、反対の立場から

*横川 博英1、*吉田 都美2 (1. 順天堂大学医学部総合診療科学講座,2. 筑波大学医学医療系)