ご挨拶
第76回塑性加工連合講演会開催にあたり
本講演会は,2025年9月24日(水)から25日(木)に茨城大学・水戸キャンパスの共通教育棟2号館および講堂で開催されます.水戸市は都心に比較的近く,東京から特急を使って1時間30分で来ることができます.そして,水戸市は茨城県の中心都市であることから,本学・水戸キャンパスでの開催を決定いたしました.これまでの講演会に関して春は5月頃,秋の連合講演会は10~11月での開催でしたが,今後は,学会の方針で春期講演会は3月,秋の連合講演会は9月の開催になるとのことで,今回は9月末とさせていただきました.前回の春期講演会と日程が近かったのですが132件の講演申込をいただきました.多くの分野で活発な講演会となることを期待しています.
茨城県は,日立建機,コマツなどの大手製造拠点を擁し,それらに部品を供給する中堅・中小のモノづくり企業が県内各地に集積しています.特にひたちなか市の常陸那珂臨港工業団地や水戸市周辺には,日立製作所水戸事業所・日立ハイテク那珂事業所などが立地し,それらを支える中小企業のネットワークが産業基盤を形成しています.統計によれば,2022年時点で茨城県内の製造業事業所数は全国平均を上回る約5,717事業所であり,全国平均(約4,740)よりも約1.2倍多い規模です.さらに,従業者数も約27.8万人と製造業が県経済を支える重要な柱となっており,食品,機械,電気機械,金属,ラスチックなど多様な業種が広がっています.県内全体の企業数も,約8万4,000社以上で,その多くが中小企業です.これら中小企業は,柔軟で迅速な対応力を持ち,地域の雇用や技術継承,地域産業の多様性・持続性に貢献しています.
本講演会では,塑性加工技術やその高度応用に関する最新成果を共有するとともに,こうした県内のモノづくり現場と研究者・技術者との双方向の連携をさらに強める場としたいと考えております.特に,中小企業の皆さまが抱える課題と技術的ニーズに耳を傾け,実践的な議論を通じて相互に学びあう機会にしたいと思います.
ご参加の皆さま一人ひとりの知見と経験が,本講演会を通じて茨城県のモノづくりをさらに発展させる原動力となります.研究者・企業・行政の壁を越えて未来を拓く交流の場として,ぜひ多くの方々のご参加をお待ちしております.