日本マインドフルネス学会第11回大会

大会長挨拶

日本マインドフルネス学会第11回大会
大会長 佐渡 充洋

慶應義塾大学 保健管理センター
教授

 

 

 

 

 

 

 

マインドフルネス —— 新たな課題と挑戦

 

 

カバットジンによって灯されたマインドフルネスストレス低減法という光は、その後各国に広がり、世界中を照らしていきました。もちろん日本も例外ではなく、 “マインドフルネス”という言葉は、今やすっかり人口に膾炙したようです。その影響は臨床にとどまらず、教育、福祉、ビジネスへと、射程は広く社会に及びます。

一方で、広く行き渡ったが故の新たな課題も見えてきました。“マクマインドフルネス (McMindfulness)”に象徴される倫理的な課題や質の担保に関わる課題、あるいは、学ぶ機会の課題や質の高い学術研究の必要性などもこれに含まれるかもしれません。

ただし、こうした課題は何もマインドフルネスに特有のものではないでしょう。なぜならこれらは、ある概念が社会に浸透してく過程では、必ずといってよいほど対峙しなければならない課題だからです。こうしたものへの対応は確かに骨の折れる作業でもありますが、マインドフルネスが真の意味で社会に受け入れられるためには、決して避けて通ることはできません。

今回の大会が、そうした課題とそれに果敢に挑戦していく勇気とをみなさんに見出していただける機会になればと思っています。