講演情報

[3304]北海道猿払地域の褐炭層におけるCO2溶液注入時の圧力伝播特性

○猪股 英紀1、玉村 修司1、村上 拓馬1、佐藤 聖1、塩田 悠介1、三上 一成2、青山 秀夫2、富山 眞吾3、藤井 義明3、五十嵐 敏文1 (1. 北海道科学技術総合振興センター 幌延地圏環境研究所、2. UBE三菱セメント株式会社、3. 北海道大学)
司会: 菅井裕一(九州大学)

キーワード:

石炭、褐炭、バイオメタン

北海道猿払地域に分布する褐炭層では,二酸化炭素(CO₂)の溶液を注入し,メタン生成アーキアの活動を促進することで炭層メタンの増進回収を目指している。本研究では,褐炭層を対象とした注入井を用いて,CO₂溶液注入時の圧力伝播特性を評価した。試験サイトには,褐炭層を対象とした複数の観測井のほか,上盤砂岩層,下盤泥岩層および炭質頁岩層を対象とした観測井が設置されている。褐炭層を対象とした注入井に約2 L/minで溶液を注入した結果,同じ褐炭層を対象とする観測井では注入開始後数分以内に明瞭な水位上昇が確認された。また,上盤砂岩層を対象とする観測井でも水位応答が認められた。一方,注入井に最も近接する下盤泥岩層を対象とする観測井では顕著な応答は認められなかった。また,地下水の水質は下盤泥岩層を除き類似した性状を示した。これらの結果は,圧力伝播が距離よりも地質構造に支配され,褐炭層内および上盤方向には圧力が伝播する一方,下盤泥岩層は水理学的な遮蔽層として機能している可能性を示唆している。