第69回日本応用動物昆虫学会大会

特別小集会

特別小集会 (SW)

 

「水稲病害虫の薬剤散布適期予測とその応用」

 

日時・会場:大会2日目 3月21日(金)14:00~15:30 A会場(2階・中会議室201)

 

 日本応用動物昆虫学会では,害虫防除指導の現場に立つ公設試験研究機関などに勤務する都道府県関係の会員に対して,基礎と応用の両分野に関して有益な活動を行う必要があると考えております.このため,2018年度から特別小集会を開催しており,今年度で8回目となります.今回は,水稲病害虫に対する薬剤散布適期予測に関する話題を扱います.現在,水稲の生育予測モデルと1kmメッシュ農業気象データ,各県の推奨薬剤データベースを組み合わせた予測モデルを開発し,これをアプリとして実装する取り組みが行われています.生産者が自身の圃場で,いつ,どの病害虫に対して,どのような薬剤を散布すれば良いのか,これをパソコンやスマホのアプリで知ることが可能な時代になってきています.本集会では現在実施中の研究プロジェクトで得られた成果について概観し,病害虫のモニタリングと防除対策を今後どのように進めていけば良いのか,議論や情報交換する場とします.学生会員を含め,都道府県職員以外の方も歓迎致します.ぜひご参加下さい.

 

概要:適時適切な化学農薬の散布は生産者の労力軽減や化学農薬の使用量の削減に貢献するものであり,生産現場において生産者が薬剤の散布の要否や散布適期を自動で連絡できる技術の開発が望まれている.現在,農林水産省の委託プロジェクト研究において,農研機構植防研を代表機関としてメッシュ農業気象データ等のICTを活用した水稲病害虫18種の発生予測システムの開発を進めている.開発した技術は民間事業者を通して生産者をエンドユーザーとした病害虫発生予測サービスとして社会実装される予定である.本特別小集会では,このプロジェクトの概要や開発中の水稲病害虫発生予測・薬剤散布適期連絡システムの紹介,および適時適切な薬剤散布を実現するうえでの生産現場の課題について3名の演者に話題提供いただき,これらを踏まえて害虫のモニタリングや防除対策の今後の方向性について議論したい.

 

プログラム

1.【SW-01】水稲病害虫の発生予測・薬剤散布適期連絡システムの開発

芦澤 武人・井之口 曜・太田 光祐・松倉 啓一郎・高篠 賢二・佐々木 郁弥・世戸口 貴宏・眞田 幸代・望月 遼太(農研機構 植物防疫研究部門)

2.【SW-02】生産者が利用できる防除支援システムの開発

藤澤 博司・中村 優(株式会社ビジョンテック 技術開発部) 

3.【SW-03】水稲における適時適切な病害虫防除の実現に向けて

行徳 裕(住友化学株式会社 アグロ事業部) 

4. 総合討論