講演情報
[AO-04]慢性疼痛治療におけるNSAIDs適正使用に向けた薬局薬剤師介入の効果検討
○植村 亮太1, 後藤 麻友1, 境 麻由奈2, 北島 佑理3, 溝渕 友麻4, 本田 明浩5 (1.総合メディカル(株)ハロー薬局 今伊勢店, 2.稲沢北店, 3.尾西店, 4.大治店, 5.総合メディカル(株))
【目的】慢性疼痛においてNSAIDsを長期間服用する患者に対し、痛み軽減とNSAIDsの処方適正化を目指して薬局薬剤師が痛みの評価を実施し、医師へ情報提供する取り組みを行った。今回はその介入効果について検討したので報告する。
【方法】2024年4~5月、愛知県のグループ内8薬局で1か月以上同じNSAIDsを服用する患者62名を対象とした。Face Rating Scale(以下、FRS)を用いて、FRS3以上を「痛み継続群」、FRS3未満を「痛み軽減群」として評価し、生活への支障と、痛みの治療に対する変更の希望を強化・維持・緩和に分けて聴取し医師へ情報提供した。次回来局時に、処方変更があった場合は、さらにその次の来局時にFRSを用いて再評価した。(総合メディカル倫理審査委員会承認番号:SMG2023023)
【結果】回答者中、痛み継続群は37名(60%)、痛み軽減群は25名(40%)だった。治療に対する希望は、痛み継続群で強化16%、維持59%、緩和25%、痛み軽減群では強化4%、維持72%、緩和24%だった。医師への情報提供後29名が来局し11名(38%)は処方が変更され(強化6名、緩和5名)、うち強化の6名は全員が痛み継続群で治療強化希望だった(変更率100%)。一方、緩和の5名中、痛み軽減群は2名、痛み継続群3名だった。11名の処方変更ありの患者のうち疼痛の再評価ができたのは6名(強化3名、緩和3名)でFRSの変化は、強化群3名は横ばいで、緩和群は1名悪化、2名横ばいだった。
【考察】FRSを用いたことで客観的な痛みの評価を医師へ情報提供し、その後の処方変更、変更後の経過を確認・評価することができた。治療の現状維持を希望する患者が多数見られたことは、NSAIDsに対する副作用や痛み再燃への懸念があることを示唆している。痛みがあり治療強化を希望する患者には介入効果があった一方、緩和介入時に疼痛悪化例も認められ、慎重な対応が必要である。今後も薬剤師による慢性疼痛治療への積極介入が重要であると考える。
【方法】2024年4~5月、愛知県のグループ内8薬局で1か月以上同じNSAIDsを服用する患者62名を対象とした。Face Rating Scale(以下、FRS)を用いて、FRS3以上を「痛み継続群」、FRS3未満を「痛み軽減群」として評価し、生活への支障と、痛みの治療に対する変更の希望を強化・維持・緩和に分けて聴取し医師へ情報提供した。次回来局時に、処方変更があった場合は、さらにその次の来局時にFRSを用いて再評価した。(総合メディカル倫理審査委員会承認番号:SMG2023023)
【結果】回答者中、痛み継続群は37名(60%)、痛み軽減群は25名(40%)だった。治療に対する希望は、痛み継続群で強化16%、維持59%、緩和25%、痛み軽減群では強化4%、維持72%、緩和24%だった。医師への情報提供後29名が来局し11名(38%)は処方が変更され(強化6名、緩和5名)、うち強化の6名は全員が痛み継続群で治療強化希望だった(変更率100%)。一方、緩和の5名中、痛み軽減群は2名、痛み継続群3名だった。11名の処方変更ありの患者のうち疼痛の再評価ができたのは6名(強化3名、緩和3名)でFRSの変化は、強化群3名は横ばいで、緩和群は1名悪化、2名横ばいだった。
【考察】FRSを用いたことで客観的な痛みの評価を医師へ情報提供し、その後の処方変更、変更後の経過を確認・評価することができた。治療の現状維持を希望する患者が多数見られたことは、NSAIDsに対する副作用や痛み再燃への懸念があることを示唆している。痛みがあり治療強化を希望する患者には介入効果があった一方、緩和介入時に疼痛悪化例も認められ、慎重な対応が必要である。今後も薬剤師による慢性疼痛治療への積極介入が重要であると考える。
