講演情報
[AO-05]薬局薬剤師の共感性に関する横断的研究
○松下 隼士1, 菅 裕亮2,3, 宮崎 元康4,5, 中村 寛樹6, 飯田 剛広7, 小川 愛8, 小川 新4, 三崎 桃子4, 山田 楊太4, 中島 章雄4,5, 福山 安里彩4,5, 今給黎 修4,5 (1.(株)なの花九州 さくら薬局和白店, 2.(株)なの花北海道 なの花薬局若草店, 3.(株)メディカルシステムネットワーク 学術部, 4.福岡大学筑紫病院 薬剤部, 5.福岡大学薬学部 病院薬学教室, 6.久留米大学 基盤教育研究センター, 7.事業部, 8.事業部教育セクション)
【目的】医療者の患者に対する共感性を測定する尺度として、Hojat らにより開発された Jefferson Scale of Empathy(JSE)がある。国内では医師を対象に共感性やその関連因子に関する研究が行われているが、薬剤師を対象とした研究はこれまでに報告されていない。そこで本研究では、薬局薬剤師を対象に JSE を用いて共感性の実態を明らかにすることを目的とした。
【方法】(株)メディカルシステムネットワークグループに勤務する薬剤師を対象に、2025年4月1日~5月24日に無記名のアンケート調査を実施した。アンケートでは、年齢、性別、家族構成、薬剤師歴、病院勤務歴、雇用形態、薬局の属性、在宅経験、かかりつけ対応件数、資格・認定の有無、研修歴、社会貢献活動歴について尋ねた。また、共感性は JSE により測定した。JSE スコアに関連する因子を探索するため、重回帰分析を行った。
【結果】調査対象2093名のうち1210名(回収率 57.8%)から回答が得られた。うち、データ不備の8名を除外し、最終的に1202名を解析対象とした。平均年齢は 40 歳、性別は男性426名、女性776名、平均薬剤師歴は13.6年であった。重回帰分析の結果、社会貢献活動歴(p=0.0141)および社外研修においての患者指導経験(p=0.0346)が JSE スコアと有意に関連していた。
【考察】本研究により、社会貢献に関わる活動歴がある薬剤師および社外研修においての患者指導経験を持つ薬剤師は、患者に対する共感性が高い傾向にあることが示唆された。共感性が患者の臨床的予後や健康関連 QOL(生活の質)に影響を与えることが報告されており、今後は薬剤師の共感性をどのように向上させるかについて、教育的・組織的な観点からさらなる検討が必要である。
【方法】(株)メディカルシステムネットワークグループに勤務する薬剤師を対象に、2025年4月1日~5月24日に無記名のアンケート調査を実施した。アンケートでは、年齢、性別、家族構成、薬剤師歴、病院勤務歴、雇用形態、薬局の属性、在宅経験、かかりつけ対応件数、資格・認定の有無、研修歴、社会貢献活動歴について尋ねた。また、共感性は JSE により測定した。JSE スコアに関連する因子を探索するため、重回帰分析を行った。
【結果】調査対象2093名のうち1210名(回収率 57.8%)から回答が得られた。うち、データ不備の8名を除外し、最終的に1202名を解析対象とした。平均年齢は 40 歳、性別は男性426名、女性776名、平均薬剤師歴は13.6年であった。重回帰分析の結果、社会貢献活動歴(p=0.0141)および社外研修においての患者指導経験(p=0.0346)が JSE スコアと有意に関連していた。
【考察】本研究により、社会貢献に関わる活動歴がある薬剤師および社外研修においての患者指導経験を持つ薬剤師は、患者に対する共感性が高い傾向にあることが示唆された。共感性が患者の臨床的予後や健康関連 QOL(生活の質)に影響を与えることが報告されており、今後は薬剤師の共感性をどのように向上させるかについて、教育的・組織的な観点からさらなる検討が必要である。
