講演情報

[AO-07]保険薬局におけるOTC医薬品使用患者に対する薬学的介入の実態調査

金 泰勲1, 湊 菜月子2, 置田 晶3, 安部 里央4, 田中 薫夏5, 田中 潤一6 (1.総合メディカル(株)そうごう薬局 白鷺店, 2.万代店, 3.庭代台店, 4.三国ヶ丘店, 5.京都松尾店, 6.総合メディカル(株))
【目的】保険薬局薬剤師が薬物療法に直接関与し、患者の不利益(副作用、相互作用、治療効果不十分など)を回避あるいは軽減した事例(以下、プレアボイド事例)に関して、OTC医薬品使用患者に対する薬学的介入についての実態は明らかになっていない。今回、プレアボイド事例を薬局店舗間で共有し、薬剤師業務の質向上に繋げることを目的に、OTC医薬品使用患者に対するプレアボイド事例を収集し、薬剤師の貢献について検討したので報告する。
【方法】2024年2月~4月の期間で大阪地区のそうごう薬局8薬局に来局した患者を対象に、OTC医薬品の使用状況を調査した。OTC医薬品使用患者人数、OTC医薬品の成分、プレアボイド実施件数、プレアボイドの内容について分析を行った。(総合メディカル倫理審査委員会承認番号:SMG2023010)
【結果】調査対象者21,649名のうち、OTC医薬品使用患者は355名(1.6%)であった。使用薬効群は、多い順に解熱鎮痛薬72件、消化器官用薬65件、アレルギー用薬51件、ビタミン主製剤49件、点眼薬39件、漢方薬32件、感冒薬28件などであった。OTC医薬品の使用中止を指導した件数は44名(12.4%)で、うち1件は医療機関へトレーシングレポートにて情報提供を行った。中止理由は同種同効薬の重複が43件、病態禁忌が1件であった。同種同効薬の成分は多い順に感冒薬が15件、アレルギー用薬が13件だった。
【考察】プレアボイド事例はほとんどが同種同効薬の重複であり、薬剤師が重複投与の防止に貢献できていることが明らかになった。特にOTC医薬品の中でも感冒薬やアレルギー用薬は処方薬と成分が重複しやすく、処方薬に同成分が含まれている場合は、OTC医薬品の重複に注意した服薬指導が重要である。