講演情報
[AP-04-A]保険薬局薬剤師における腎機能に注意が必要な外用薬の認識実態調査
○末澤 千恵1, 桜田 尚季2, 菅 裕亮2, 多田 知弘2, 東谷 祟之2, 鈴木 すみれ3, 山下 祥史4, 菊池 恵美5, 大内 芙美香5, 小島 雅和5 (1.(株)なの花中部, 2.(株)なの花北海道, 3.(株)なの花東北, 4.(株)なの花九州, 5.医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院)
【目的】薬剤師が内服薬について腎機能を考慮した処方提案を行う事例は多く報告されているが、外用薬の認識や対応の実態は明らかにされていない。本研究では、薬剤師による腎機能に注意が必要な外用薬(以下、腎注意外用薬)の認識状況と対応の調査を行い、今後求められる薬剤師の対応を検討することを目的とする。
【方法】2025年3月21日~4月5日に(株)なの花中部に所属する店舗勤務薬剤師140名を対象に、匿名Web質問調査を実施した。調査項目は最も多い応需科、腎機能を基にした疑義照会や処方提案の有無(内服薬・外用薬別)、腎注意外用薬のうち注意している薬剤およびその際の対応行動等とした。なお、腎注意外用薬は『腎機能別薬剤投与量POKETBOOK 第5版』に基づき、添付文書上でeGFR30未満が禁忌とされる外用薬13品目を対象とした。
【結果】有効回答は60名(42.9%)。最も多い応需科は内科(45.0%)であった。腎機能を基にした疑義照会や処方提案の有無では、内服薬60.0%・外用薬6.7%であった。腎注意外用薬について、剤形別ではNSAIDs含有の貼付剤2製剤で63.3%、53.3%と高かったが、坐薬3製剤では25.0%~58.3%とばらつきがあった。対応行動では薬の過剰使用回避が60.0%と最も多く、処方医への腎機能情報提供が6.7%と最も少なかった。
【考察】腎機能を考慮した対応は内服薬に比べ外用薬では少ない実態が示唆された。特に貼付剤に対する認識度は比較的高かったが、それ以外ではばらつきがあった。対応行動として処方医との連携が少ない点は、外用薬への介入体制が十分ではない現状が示唆された。外用薬は剤形や部位の吸収率等により動態が異なる為、一律の対応が困難な場合も多い。今後は、処方医との協議体制の整備や、薬剤師への外用薬に関する教育、介入を促進する仕組みの構築が重要である。
【方法】2025年3月21日~4月5日に(株)なの花中部に所属する店舗勤務薬剤師140名を対象に、匿名Web質問調査を実施した。調査項目は最も多い応需科、腎機能を基にした疑義照会や処方提案の有無(内服薬・外用薬別)、腎注意外用薬のうち注意している薬剤およびその際の対応行動等とした。なお、腎注意外用薬は『腎機能別薬剤投与量POKETBOOK 第5版』に基づき、添付文書上でeGFR30未満が禁忌とされる外用薬13品目を対象とした。
【結果】有効回答は60名(42.9%)。最も多い応需科は内科(45.0%)であった。腎機能を基にした疑義照会や処方提案の有無では、内服薬60.0%・外用薬6.7%であった。腎注意外用薬について、剤形別ではNSAIDs含有の貼付剤2製剤で63.3%、53.3%と高かったが、坐薬3製剤では25.0%~58.3%とばらつきがあった。対応行動では薬の過剰使用回避が60.0%と最も多く、処方医への腎機能情報提供が6.7%と最も少なかった。
【考察】腎機能を考慮した対応は内服薬に比べ外用薬では少ない実態が示唆された。特に貼付剤に対する認識度は比較的高かったが、それ以外ではばらつきがあった。対応行動として処方医との連携が少ない点は、外用薬への介入体制が十分ではない現状が示唆された。外用薬は剤形や部位の吸収率等により動態が異なる為、一律の対応が困難な場合も多い。今後は、処方医との協議体制の整備や、薬剤師への外用薬に関する教育、介入を促進する仕組みの構築が重要である。
