講演情報
[AP-05-B]薬局薬剤師のかかりつけ機能が関節リウマチ患者における経口メトトレキサート製剤の服薬継続に及ぼす影響
○沖永 慶太1, 前田 守2, 月岡 良太2, 長谷川 佳孝2, 大石 美也2 (1.アイングループ (株)アインファーマシーズ アイン薬局 青梅東, 2.アイングループ (株)アインホールディングス)
【目的】 メトトレキサート(MTX)はガイドライン上で関節リウマチ(RA)の第一選択薬とされるが、副作用防止のため週1、2回服用が必要であり、薬局薬剤師の継続的な服薬管理が求められる。本研究では薬局薬剤師のかかりつけ機能の発揮が経口MTXの服薬継続に及ぼす影響を明らかにし、薬局薬剤師の果たすべき役割を考察した。
【方法】2018年1月~2024年12月に開局を維持した当グループ626保険薬局の匿名加工済みレセプトデータから、2020年5月以降に経口MTXが初処方された患者を抽出した。服薬継続期間は、初回調剤日~最終調剤日または「ギャップ発生」直前の調剤日までの処方を用い、MTXの処方指示が服用週ごとに分かれると仮定し、週1回服用ではその処方日数に、週2回服用では処方1件あたりの処方日数の最大値に、7を乗じた値の合計とした。「ギャップ発生」は「2024年12月31日までに前回処方日数の1.5倍以上経過後に次回調剤が生じた場合」とした。患者は経口MTXの調剤回数に対するかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料の算定率が50%以上をFP群、0%をNoFP群に分け、傾向スコアマッチング(最近傍法、非復元、1:1)で共変量(年齢、性別、初回調剤年、葉酸併用有無)を調整し、継続率をカプランマイヤー法とログランク検定、服薬中断のハザード比(HR)をCox比例ハザードモデルで解析した(有意水準0.05)。(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0258)。
【結果】マッチング後の患者数は各群427名だった。継続率はFP群(中央値:777日[95%信頼区間: 672-910])の方がNoFP群(420日[336-504])より有意に高く(p<0.001)、服薬中断はFP群(HR:0.62 [0.52-0.73])と葉酸併用(0.56 [0.43-0.74])が有意に影響した。
【考察】 本研究から、薬局薬剤師のかかりつけ機能の発揮はRA患者の経口MTXの服薬継続に有意に貢献すると示唆された。今後も薬局薬剤師はかかりつけ機能を発揮し、RAの治療継続に貢献することが重要である。
【方法】2018年1月~2024年12月に開局を維持した当グループ626保険薬局の匿名加工済みレセプトデータから、2020年5月以降に経口MTXが初処方された患者を抽出した。服薬継続期間は、初回調剤日~最終調剤日または「ギャップ発生」直前の調剤日までの処方を用い、MTXの処方指示が服用週ごとに分かれると仮定し、週1回服用ではその処方日数に、週2回服用では処方1件あたりの処方日数の最大値に、7を乗じた値の合計とした。「ギャップ発生」は「2024年12月31日までに前回処方日数の1.5倍以上経過後に次回調剤が生じた場合」とした。患者は経口MTXの調剤回数に対するかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料の算定率が50%以上をFP群、0%をNoFP群に分け、傾向スコアマッチング(最近傍法、非復元、1:1)で共変量(年齢、性別、初回調剤年、葉酸併用有無)を調整し、継続率をカプランマイヤー法とログランク検定、服薬中断のハザード比(HR)をCox比例ハザードモデルで解析した(有意水準0.05)。(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0258)。
【結果】マッチング後の患者数は各群427名だった。継続率はFP群(中央値:777日[95%信頼区間: 672-910])の方がNoFP群(420日[336-504])より有意に高く(p<0.001)、服薬中断はFP群(HR:0.62 [0.52-0.73])と葉酸併用(0.56 [0.43-0.74])が有意に影響した。
【考察】 本研究から、薬局薬剤師のかかりつけ機能の発揮はRA患者の経口MTXの服薬継続に有意に貢献すると示唆された。今後も薬局薬剤師はかかりつけ機能を発揮し、RAの治療継続に貢献することが重要である。
