講演情報

[AP-06-C]薬局薬剤師のかかりつけ機能が月1回服用ビスホスホネート製剤の服薬継続に及ぼす影響

清水 遼1, 前田 守2, 月岡 良太2, 長谷川 佳孝2, 大石 美也2 (1.アイングループ (株)アインファーマシーズ アイン薬局 羽田空港第1ターミナル店, 2.アイングループ (株)アインホールディングス)
【目的】骨粗鬆症治療において、ビスホスホネート製剤(BP)等の服薬アドヒアランス維持が重要である。本研究では、月1回(4週1回も含む)服用BPに焦点を当て、薬局薬剤師のかかりつけ薬局機能が服薬継続に与える影響を調査し、薬局薬剤師の果たすべき役割を考察した。
【方法】2018年1月~2024年12月に開局していた当グループ626保険薬局の匿名加工済みレセプトデータを用い、2020年5月以降に対象BPが新規処方された患者を対象とした。服薬継続期間は、月1回服用BPでは調剤月を起点として処方日数分経過した月の日数の合計、4週1回服用BPでは処方日数に28を乗じた値の合計と定義し、初回調剤日から最終調剤日またはギャップ発生直前の調剤日までの処方日から算出した。「ギャップ発生」は、2024年12月31日までで「前回処方日数の1.5倍以上経過後に次回調剤が生じた場合」とした。調剤回数に対するかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料の算定率から、50%以上の患者をFP群、0%はNoFP群とした。共変量(年齢、性別、初回調剤年、BPの種類)を傾向スコアマッチング(最近傍法、非復元、1:1)で調整し、カプランマイヤー法とログランク検定で継続率を、Cox比例ハザードモデルで服薬中断のハザード比を有意水準0.05として解析した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0289)。
【結果】マッチング後は、各群1,082名であった。服薬継続率はFP群(中央値420日 [95%信頼区間: 392-476])の方がNoFP群(245日 [224-273])よりも有意に高く、服薬中断にはFP群(ハザード比:0.68 [0.62-0.73])と女性(0.73 [0.63-0.84])が有意に影響した。
【考察】薬局薬剤師のかかりつけ機能の発揮は、月1回服用BPの服薬継続に有意に貢献することが示唆された。今後も骨粗鬆症の治療継続に貢献するために、薬局薬剤師はかかりつけ機能を発揮することが重要と考える。