講演情報
[AP-12-C]錠剤一包化鑑査システム導入による薬剤師業務効率化の検証
○菊池 俊裕1, 島 優馬1, 丸田 勇樹1,2 (1.(株)フロンティア フロンティア薬局日立店, 2.国際医療福祉大学大学院 薬学研究科)
【目的】日本総合研究所の提言では、薬局薬剤師が真に専門性を発揮するためには対物業務からの解放が重要とされている。「テクノロジーの活用」による単純業務の負担軽減が推奨され、薬剤師がより高付加価値の業務に時間を割ける環境整備が求められている。本研究は、既存薬局に錠剤一包化鑑査支援システムを新規導入し、その導入前後における調剤関連業務時間をタイムスタディにより測定し、薬剤師業務のタスクシフトに向けた示唆を得ることを目的とした。
【方法】本研究は、一施設内の前後比較デザインを用い、導入前後それぞれ10 日間ずつ、薬剤師10 名が従事する調剤関連業務を間接観察法(タイムスタディ)により分類・測定し、鑑査累計時間と処方箋1 枚あたりの平均処理時間(受付から会計まで)を分単位で算出した。錠剤一包化鑑査支援システムMDM®((株)トーショー)が代替した業務は分包鑑査と定義し、共変量として処方応需枚数を投入し、LMM(線形混合モデル)を用いて解析した。統計解析にはIBM SPSS Statistics 30®(日本IBM(株))を用い、有意水準を5 %(両側)とした。
【結果】導入前後で業務指標である鑑査累計時間を解析した結果、鑑査累計時間(推定値 = 790.8, p<.001 )は、平均41.1 分の有意な短縮が認められた。また、処方箋1 枚あたりの平均処理時間(推定値 = 20.5, p<.001 )は、平均0.4 分の短縮が認められた。
【考察】MDM®導入により、薬剤師が目視で行っていた鑑査工程が 1 日当たり 41.1 分短縮され、さらに処方箋 1 枚当たりの平均処理時間が 0.4 分(約24 秒)短縮されたことは、テクノロジー活用による対物業務の負担軽減を定量的に裏付ける結果である。短縮された時間は、対人業務の質の向上など高付加価値の対人業務へ再配分できるため、薬局全体のサービスレベル向上に直結する可能性が高い。
【方法】本研究は、一施設内の前後比較デザインを用い、導入前後それぞれ10 日間ずつ、薬剤師10 名が従事する調剤関連業務を間接観察法(タイムスタディ)により分類・測定し、鑑査累計時間と処方箋1 枚あたりの平均処理時間(受付から会計まで)を分単位で算出した。錠剤一包化鑑査支援システムMDM®((株)トーショー)が代替した業務は分包鑑査と定義し、共変量として処方応需枚数を投入し、LMM(線形混合モデル)を用いて解析した。統計解析にはIBM SPSS Statistics 30®(日本IBM(株))を用い、有意水準を5 %(両側)とした。
【結果】導入前後で業務指標である鑑査累計時間を解析した結果、鑑査累計時間(推定値 = 790.8, p<.001 )は、平均41.1 分の有意な短縮が認められた。また、処方箋1 枚あたりの平均処理時間(推定値 = 20.5, p<.001 )は、平均0.4 分の短縮が認められた。
【考察】MDM®導入により、薬剤師が目視で行っていた鑑査工程が 1 日当たり 41.1 分短縮され、さらに処方箋 1 枚当たりの平均処理時間が 0.4 分(約24 秒)短縮されたことは、テクノロジー活用による対物業務の負担軽減を定量的に裏付ける結果である。短縮された時間は、対人業務の質の向上など高付加価値の対人業務へ再配分できるため、薬局全体のサービスレベル向上に直結する可能性が高い。
