講演情報

[DS1]AIを活用したDX時代の「つながる」かかりつけ薬局化戦略

多湖 健太郎1, 田中 吉隆2, 飯田 剛広3 (1.株式会社ファーマシフト 代表取締役社長, 2.Cowellnex株式会社 premedi事業責任者, 3.株式会社なの花九州 取締役)
医療制度や患者ニーズの変化により、薬局を取り巻く経営環境は大きく変わりつつあります。従来の「門前依存型」から、地域住民との関係性を築く「かかりつけ薬局」への転換が求められ、薬局経営は“立地に基づく自然集患”から、“意図的に選ばれる関係性の構築”が必要な時代へと移行しています。
本セミナーでは、薬局経営のこれからを考えるうえで欠かせない視点やヒントとして、AIにより在庫リスクを軽減しながらDXを活用して選ばれる関係性を構築する取り組みを、実際の事例を交えながらご紹介します。

前半では、経営環境の変化を踏まえ、これからの薬局に求められる戦略的な視点について整理します。制度改革や電子処方箋の普及、患者ニーズの多様化などを背景に、薬局にはこれまでのように立地の優位性だけで患者さんが集まる待ちの姿勢から脱却し、患者さんとの関係性を日常的に築き自ら選ばれる存在へと変わっていくことが必要です。
こうした経営環境の変化にDXやAIを活用してどう対応していくのか。その一例としてご紹介するのが、LINEを活用して処方箋受付や服薬フォロー、オンライン服薬指導などが実施でき、患者さんとの継続的な関係構築と対人業務の推進をサポートするかかりつけ薬局支援サービス「つながる薬局」と、AIによる需要予測で取り扱い頻度の低い医薬品も無駄なく在庫管理できる調剤薬局向け置き薬サービス「premedi」です。これらのサービスが、集患力の強化や患者満足度向上にどのように寄与するのかを解説します。

後半では、両サービスを導入している薬局の具体的な取り組みをご紹介します。オペレーションの改善や費用面での変化、患者・薬剤師双方の反応など、多角的な視点でその変化と成果を紐解きながら、「門前依存からの脱却」を目指すうえでの経営戦略の一例として、今後の取り組みのヒントとなる内容をお届けします。


多湖 健太郎(株式会社ファーマシフト 代表取締役社長)
1997年東京大学法学部卒業後、株式会社日本興業銀行(現株式会社みずほ銀行)入社。2015年株式会社メディカルシステムネットワーク入社、2019年同社取締役、2024年取締役常務執行役員経営戦略本部長(現任)。2020年株式会社ファーマシフト設立と同時に代表取締役社長就任(兼任)。

田中 吉隆(Cowellnex株式会社 premedi事業責任者)
2015年京都大学文学部卒業後、キリンホールディングス株式会社に入社。2019年に社内新規事業提案制度にてpremediを提案し事業採択される。2022年より事業化、事業責任者として同事業に従事。2024年、健康に関連する研究・事業を行うキリンホールディングス株式会社のグループ会社として設立したCowellnex株式会社へ事業を移管。2025年、同事業が日本新規事業大賞を受賞。

飯田 剛広(株式会社なの花九州 取締役)
2004年北海道薬科大学を卒業(現北海道科学大学)、2007年11月株式会社アポスへ入社(現株式会社なの花北海道)、2020年10月株式会社トータル・メディカルサービスへ転籍、2025年4月(4社合併)株式会社なの花九州へ会社名変更し現職に至る。