講演情報

[DS4]薬剤師が挑む介入と連携の仕組み化~がん領域の事例からみるデジタル実装の可能性~

髙山 俊輔1, 本田 雅志2 (1.埼玉医科大学国際医療センター 薬剤部 主任, 2.総合メディカル株式会社 ヘルスケア人財開発部 兼 そうごう薬局 天神中央店)
近年、電子処方箋やオンライン資格確認など、医療DXに関する制度・点数が増え、医療機関にとって医療DXは「対応しなければならないもの」と受け止められる場面も多くなっている。しかし、本来医療DXは、「対応すること」が目的ではなく、“患者のための薬局ビジョン”が示したような、薬局が地域で果たすべき役割を担い、医療の質を高めるための挑戦を支える手段である。

 本セミナーでは、がん領域における取り組みを例に、病院薬剤師と保険薬局薬剤師のそれぞれが、テクノロジーを活用しながら継続性・再現性のある介入や連携にどのように挑戦しているかを紹介する。

 経済産業省の「令和6年度医療機関におけるPHR利活用促進等に向けた実証調査事業」に参加した埼玉医科大学国際医療センターでは、門前の薬局と連携し、業務効率化や患者とのコミュニケーション改善、医療データの活用を進めている。デジタル技術を活用した病院薬剤師・保険薬局薬剤師の連携強化は、薬物療法の安全性を高め、よりよい医療の提供に寄与する可能性を示している。
 総合メディカル株式会社では、「クオリティ・インディケーター(QI)」に着目し、検査値などの結果だけでなく、患者に適切な介入を実施したかどうかというプロセスに光を当て、介入の質を間接的に評価をする試みが始まっている。がん領域を例に、「クオリティ・インディケーター(QI)」による薬局の対人業務機能の評価可能性を考える。

 制度や環境の変化を前向きな挑戦へと繋げる視点を、ここからともに探っていきたい。


髙山 俊輔(埼玉医科大学国際医療センター 薬剤部 主任)
【経歴】
2004年3月 城西大学薬学部製薬学科 卒業
2006年3月 城西大学大学院薬学研究科 医療薬学専攻修士課程 修了
2009年3月 城西大学大学院薬学研究科 薬学専攻博士課程 修了
2009年4月 埼玉医科大学国際医療センター薬剤部入職
現在に至る
【資格】
薬学博士、がん専門・指導薬剤師/医療薬学専門薬剤師(日本医療薬学会)、外来がん治療専門薬剤師(日本臨床腫瘍薬学会)
プライマリ・ケア認定薬剤師(日本プライマリケア・ケア連合学会)、緩和薬物療法認定薬剤師/麻薬教育認定薬剤師(日本緩和医療薬学会)、NST専門療法士(日本栄養治療学会)、遺伝性腫瘍コーディネーター(日本遺伝性腫瘍学会)、認定実務実習指導薬剤師/認定薬剤師(日本薬剤師研修センター)、日病薬病院薬学認定薬剤師/認定指導薬剤師(日本病院薬剤師会)、認定コーチ(日本臨床コーチング研究会)
【所属学会】
日本医療薬学会、日本臨床腫瘍薬学会、日本プライマリケア・ケア連合学会、日本緩和医療薬学会、日本遺伝性腫瘍学会、日本栄養治療学会、
日本臨床コーチング研究会、日本臨床腫瘍学会
本田 雅志(総合メディカル株式会社 ヘルスケア人財開発部 兼 そうごう薬局 天神中央店)
【略歴】
2009年3月 東北大学薬学部 卒業
2011年3月 東北大学大学院薬学研究科 卒業
2011年4月 総合メディカル株式会社 入職
2015年7月 総合メディカル株式会社 そうごう薬局天神中央店 配属
2017年4月 日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師 認定
2021年4月 日本医療薬学会 地域薬学ケア専門薬剤師(がん) 認定
2022年4月 日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療専門薬剤師 認定
【所属学会】
日本臨床腫瘍薬学会、日本医療薬学会