講演情報

[LS6-1]心腎連関を考慮した最新の心不全診療~フォシーガ10mgがもたらす可能性~

木田 圭亮 (聖マリアンナ医科大学 薬理学 主任教授)
超高齢社会の進展に伴い、心不全患者の急増とともに心腎機能の複合的な破綻が大きな臨床課題となっている。特に、慢性腎臓病(CKD)を合併する症例では、心腎連関の視点からの早期かつ多面的な薬物介入が不可欠である。

心不全診療ガイドラインでは、LVEF(左室駆出率)に基づく心不全分類ごとに明確な治療戦略が示されている。HFrEFに対しては、β遮断薬、ACE阻害薬またはARB、MRA、SGLT2阻害薬の4剤併用の早期導入、忍容性を確認しながら推奨最大量へ増量するGDMT (Guideline-Directed Medical Therapy)が強調されている。またHFmrEFやHFpEFに対しても、SGLT2阻害薬、非ステロイド型 MRA、ARNIなどの有効性が示されており、従来選択肢が限られていた領域にも新たな治療アプローチが可能となっている。

SGLT2阻害薬においては血糖低下作用に加え、心機能や腎機能の改善作用も期待されており、心腎双方にメリットをもたらす薬剤として注目されている。

本講演では、心腎連関の病態に基づき、最新のガイドラインに沿った心不全薬物治療について紹介したい。またCKD治療や心不全治療におけるSGLT2阻害薬フォシーガ10mgのエビデンスを中心に紹介し、今後の治療戦略における薬剤の可能性について議論したい。


【学歴・勤務歴】
2001年 3月 聖マリアンナ医科大学医学部医学科卒業
2001年 5月 聖マリアンナ医科大学医学部附属聖マリアンナ医科大学病院研修医
2003年 4月 聖マリアンナ医科大学大学院医学研究科 内科学(循環器内科)専攻 入学
2007年 3月 同大学院博士課程修了
2007年 4月 カリフォルニア大学サンディエゴ校 客員研究員
2009年 4月 聖マリアンナ医科大学 循環器内科 助教
2014年 4月 聖マリアンナ医科大学 循環器内科 講師
2018年11月 聖マリアンナ医科大学 薬理学 准教授、循環器内科 顧問医兼務
2020年 4月 聖マリアンナ医科大学 リハビリテーション科顧問医兼務(2025年3月末まで)
2025年 4月 聖マリアンナ医科大学 薬理学 主任教授

【資格(認定医・専門医)]
宇宙航空医学認定医
日本内科学会認定医
日本旅行医学会認定医
心臓リハビリテーション指導士
日本体育協会 認定スポーツドクター
循環器専門医
心臓リハビリテーション認定医
日本静脈経腸栄養学会 TNTコース修了
日本心臓病学会上級臨床医(FJCC)
腎臓リハビリテーション指導士
サルコペニア・フレイル指導士
日本循環器学会FJCS会員
日本内科学会総合内科専門医
日本臨床薬理学会専門医