講演情報
[LS9]アルツハイマー型認知症におけるアジテーションの理解と対応~「気づき・つなぎ・支える」薬剤師に今求められている役割~
○深澤 隆 (医療法人 青仁会 青南病院 病院長 はちのへ認知症疾患医療センター センター長)

アルツハイマー型認知症の患者さんの約9割に認める行動・心理症状は、認知機能障害を基盤に身体的要因、環境要因、心理学的要因などの影響を受けて出現する。焦燥性興奮、攻撃性、脱抑制などの行動面の症状と不安、うつ、幻覚、妄想をはじめとする心理症状などの多彩な症状を特徴とすることから、患者さんの生活の質や予後に大きな影響を及ぼし、介護者にも大きな心理的な負担となる。2023年に国際老年精神医学会は、「アジテーションとは、情動的苦痛を伴う過活動や攻撃的言動を特徴とし、通常の行動からの劇的な変化を示し、過剰な苦痛や生活での支障をもたらす症状」と定義した。アジテーションが顕在化した場合は、適切な介護サービスの利用が出来なくなり、家族や介護者による介護の負担が増大し、自宅や高齢者施設での療養を継続することが困難な状態に陥るため、薬剤師にもアジテーション症状の正しい理解と適切な対応が求められている。
適切なケアの提供や非薬物療法などがアジテーションに奏功せず薬物療法が必要となった際には、薬剤師には薬物療法の開始前後での身体症状と精神症状の変化や副作用などを注意深く観察し、適切に評価し、医師をはじめとする多職種間で情報共有する重要な役割がある。さらに、薬剤師は患者及び家族との顔の見える関係や継続的な関係を築いているからこそ、アジテーション症状に「気づく」ことができる。日ごろから地域の医療機関や関係機関と連携して業務を行っているからこそ、アジテーション症状を呈する人を適切な支援に「つなげる」ことができる。認知症の本人と家族の視点を重視した継続的な薬学的管理を行っているからこそアジテーション症状を呈した人や家族の生活や治療を「支える」ことができる。
本講演では、精神科医師の立場からアジテーションの特徴と対応について概説し、薬剤師に求められているアジテーション症状に関連した役割について詳述する。
平成11年 3月 山形大学医学部医学科 卒業
平成18年10月 スウェーデン カロリンスカ研究所 臨床薬理学教室 研究員
平成26年 4月 医療法人青仁会青南病院 副病院長
はちのへ認知症疾患医療センター センター長(現職)
平成26年11月 医療法人青仁会青南病院 病院長(現職)
平成29年 6月 一般社団法人八戸市医師会 理事(現職)
8月 三戸中央病院 非常勤医師(現職)
八戸学院大学 非常勤講師(現職)
令和 5年 6月 公益社団法人日本精神科病院協会 理事(現職)
令和 7年 4月 国立大学法人弘前大学医学部 非常勤講師(現職)
厚生労働省委託事業DPAT事務局 次長(現職)
令和 7年 6月 日本精神神経学会 副理事長(現職)
適切なケアの提供や非薬物療法などがアジテーションに奏功せず薬物療法が必要となった際には、薬剤師には薬物療法の開始前後での身体症状と精神症状の変化や副作用などを注意深く観察し、適切に評価し、医師をはじめとする多職種間で情報共有する重要な役割がある。さらに、薬剤師は患者及び家族との顔の見える関係や継続的な関係を築いているからこそ、アジテーション症状に「気づく」ことができる。日ごろから地域の医療機関や関係機関と連携して業務を行っているからこそ、アジテーション症状を呈する人を適切な支援に「つなげる」ことができる。認知症の本人と家族の視点を重視した継続的な薬学的管理を行っているからこそアジテーション症状を呈した人や家族の生活や治療を「支える」ことができる。
本講演では、精神科医師の立場からアジテーションの特徴と対応について概説し、薬剤師に求められているアジテーション症状に関連した役割について詳述する。
平成11年 3月 山形大学医学部医学科 卒業
平成18年10月 スウェーデン カロリンスカ研究所 臨床薬理学教室 研究員
平成26年 4月 医療法人青仁会青南病院 副病院長
はちのへ認知症疾患医療センター センター長(現職)
平成26年11月 医療法人青仁会青南病院 病院長(現職)
平成29年 6月 一般社団法人八戸市医師会 理事(現職)
8月 三戸中央病院 非常勤医師(現職)
八戸学院大学 非常勤講師(現職)
令和 5年 6月 公益社団法人日本精神科病院協会 理事(現職)
令和 7年 4月 国立大学法人弘前大学医学部 非常勤講師(現職)
厚生労働省委託事業DPAT事務局 次長(現職)
令和 7年 6月 日本精神神経学会 副理事長(現職)
