講演情報

[O-5-03]スポーツファーマシストチームによるOTC医薬品使用可能リストの展開における社内の使用実態調査と今後期待される役割

釼持 佑一1, 石原 一磨2, 對馬 遼3, 長谷川 凌平4, 末澤 千恵5, 庄村 元希6 (1.(株)なの花中部 なの花薬局 豊川赤坂店, 2.鎌田店, 3.名古屋長須賀店, 4.おかわち店, 5.河芸店, 6.事業部教育セクション)
【目的】弊社では有志によるスポーツファーマシストチーム(以下、チーム)を結成している。社内薬剤師を対象とした過去の調査では、ドーピングに該当する薬剤の情報を希望する声が多く寄せられた。その中でも緊急時に使用頻度が高いOTC医薬品におけるドーピングの該当有無を判断できる資料を望む声もあった。それを受け2024年7月に『競技会時にも使用可能な、自社で取り扱いのあるOTC医薬品の一覧』(以下、リスト)を作成し、社内展開した。本研究ではリストの使用状況を明らかにし、ドーピングに限らず今後チームに望む情報について調査した。
【方法】2025年1月20日から1月31日に弊社に所属する薬剤師139名に対し匿名Webアンケートを実施した。調査項目はリストの認知・閲覧・使用実績を単一回答とし、今後チームから発信を望む情報を複数回答とした。
【結果】回答者数55名(回答率40.3%)。リストの認知度52.7%、閲覧率20%、使用実績0%であった。チームから発信を望む情報は、「国内販売のサプリメントとドーピングの関連性」が60.0%で最も多く、次いで「スポーツ薬理学・スポーツ医学の情報」が36.4%、「健康維持に関する情報」が34.5%の順で多かった。
【考察】今回の研究でリストの認知度が過半数であったことに対し使用実績がなかったのは、弊社全体でOTC医薬品に対するドーピング相談は少ない可能性が考えられる。また希望する情報について、ドーピングに限らないスポーツに関係する情報が多かったことから、様々な人への活用を想定していることが示唆された。2025年度にはスポーツファーマシストのカリキュラムも変更される。今後はチームとして、アンチ・ドーピング活動に留まらず、スポーツを通じて健康増進につながる情報発信や健康フェアの開催など積極的な活動が求められる。