講演情報

[O-5-06]セマグルチド錠服用患者における服薬状況、アドヒアランスの実態調査

逢坂 祐志1, 船木 睦末2, 今井 裕也1, 菅 裕亮2,5, 菊地 貞三3, 菅原 淳4 (1.(株)なの花北海道 なの花薬局 桜木東店, 2.なの花薬局 若草店, 3.なの花薬局 母恋店, 4.道南エリア事業部, 5.(株)メディカルシステムネットワーク 学術部)
【目的】セマグルチド錠は、国内において唯一の内服GLP-1受容体作動薬である。しかし、服用の煩雑さからアドヒアランスの障壁となる要因を含む薬剤であり、服薬フォローアップが求められる薬剤である。服薬フォローアップに関する報告はされているが、アドヒアランスの障壁ついて検討されたものはない。本研究ではセマグルチド錠のアドヒアランスにおける課題を明らかにすることを目的に服薬状況、アドヒアランスの実態についてアンケート調査を実施した。
【方法】2025年3月24日から5月10日に当社グループの糖尿病外来患者の処方箋を多数応需する特定の一薬局においてアンケート調査を実施した。対象はセマグルチド錠を服用中のアンケートに同意を得られた患者とした。アンケート項目は患者の集団情報、患者生活情報、アドヒアランスに関する情報、セマグルチド錠の服薬状況に関する情報、薬識に関する情報について尋ねた。
【結果】対象患者70名中56名より回答を得た(回収率80%)。セマグルチド錠の服薬状況については、46名(82.1%)が「飲み忘れる事がない」、9名(16.1%)が「たまに飲み忘れる」と回答した。セマグルチド錠の服薬方法については、51名(91.1%)が「少量の水で服用出来ている」と回答した。また、服用後30分の水分・食事制限については、43名(60.7%)が「出来ており、大変ではない」、17名(30.4%)が「出来ているが大変」と回答し、51名(91.1%)が「出来ている」と回答した。
【考察】対象患者の多くがセマグルチド錠の服用の煩雑さを理解していることが明らかとなった。一方で、煩雑な服用方法に負担を感じている患者が一定数存在し、このことがアドヒアランスの障壁となっている可能性が考えられた。アドヒアランスが維持されているかだけでなく、障壁となっている要因に焦点を当てた介入方法を再検討する必要がある。